2012/07/03 建設産業経理研究所/中小の企業会計のあり方検討へ/研究会が初会合

【建設工業新聞 7月 3日 記事掲載】

 建設産業経理研究所(RIACI、所長・東海幹夫青山学院大教授)は、建設産業の会計制度や会計基準の調査体制の強化に向け、「中小建設企業の会計に関する研究会(中小建設会計研究会)」(主査・万代勝信一橋大大学院教授)を設置し、6月29日に都内で初会合を開いた。今後2カ月に1回のペースで開き、1年程度かけて中小建設会社の企業会計のあり方をまとめる。
 
 
 中小企業の会計制度では、05年に日本公認会計士協会など会計4団体が共同で「中小企業の会計に関する指針(中小会計指針)」を作成。従来の簡便な運用から一定の基準に沿った会計制度の指針が提示された。今年2月1日には中小企業庁と金融庁が事務局を務める中小企業の会計に関する検討会が「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計基本要領)」を策定し、より零細な企業も含めた会計指針が示されている。
 
 
 設置された中小建設会計研究会は、こうした中小企業を対象にした会計制度の動きを踏まえた上で、経営事項審査制度などが適用される建設会社の会計制度について、今後どうあるべきかなどを検討する。メンバーは国土交通省の担当者や学識者、自主監査などを行っている中小建設会社の担当者らで構成される。初会合では万代主査が中小企業に関する会計基準の変遷などをテーマに説明。その上で各委員が中小建設会社の会計制度の課題などについて意見交換した。同時に今後、▽「中小会計指針」と「中小会計基本要領」の具体的な意義と役割▽建設業法会計との調整▽建設業法会計の今後のあり方-などを検討していくことを確認した。
 
 
 同研究所では、大手建設会社向けの「建設業会計基準のあり方に関する研究会」も既に設置済みで、5月22日に初会合を開いている。この二つの研究会を通じて、建設産業全体の今後の会計基準のあり方を整理し、今後方向性などをまとめる方針だ。
 

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