2014/1/23 国交省/通常国会に11法案提出へ/コンパクトシティー推進や道路上部利用

【建設工業新聞 1月 23日 1面記事掲載】

国土交通省が、24日召集の通常国会に提出する11本の法案が明らかになった。人口減少に合わせて都市の中心に住宅や交通機能などを集約する「コンパクトシティー」を推進しやすくする都市再生特別措置法と地域公共交通活性化法の改正案を提出。老朽化が進む高速道路の改修費を調達するため、既設道路の上部区間をデベロッパーに売却できるようにする道路法改正案も提出する。許可業種区分に解体工事を新設する建設業法改正案も提出する。

コンパクトシティーを推進する都市再生特措法改正案では、地方都市の主要鉄道駅などの周辺に住宅や医療、商業などの機能を集約するため、市町村がこれらの施設を一定の区域に誘導するための「立地適正化計画」を作成。計画に記載された住宅関連施設については、容積率や用途規制の緩和措置などを講じる。地域公共交通活性化法改正案では、街づくりと一体になった交通網の形成を促すため、国が認定する事業を実施しない民間交通事業者に勧告・命令を行えるようにする。

道路法改正案では、改修事業と都市開発を一体的に実施する構想が浮上している首都高速道路都心環状線の築地川区間(東京都中央区、延長約2キロ)を念頭に、現在は新設・改築時に限られている道路上部空間の売却を改修時でも行えるようにする。建設業法改正案では、解体工事の業種区分追加のほか、適正施工と担い手確保の一環として、公共工事での入札金額の内訳提出義務化、施工体制台帳の作成義務拡大、暴力団排除条項などを定める。

マンション建て替え円滑化法の改正案も提出。耐震性が不足している分譲マンションの建て替えを促すため、区分所有者の5分の4以上の賛成で建物と土地をデベロッパーに売却できる「マンション敷地売却制度」を創設。一定の規模要件を満たすマンションの建て替えでは容積率の上限を緩和する。建築基準法の改正案も提出し、国産木材の利用を促すため、木造3階建て以上の学校などの施設について耐火規制を緩和。建築確認と併せて行う構造計算適合性判定の対象になる建築物の合理化や、自治体に限られている建築物への調査主体に国を追加する。

日本企業のインフラ輸出を資金・人材面で支援する新会社を設立する株式会社海外交通・都市開発事業支援機構法案を提出する。このほか、海岸堤防などの防災・減災対策や維持管理の適正化を推進するための海岸法改正案、国際コンテナ戦略港湾に指定している阪神、京浜両港の国際競争力を強化するため、背後地の物流倉庫整備などに関する建設費の無利子貸付制度を創設する港湾法改正案も提出する。

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