2014/2/4 国交省/新労務単価、賃金支払いに反映を/業界団体に要請、自治体や民間にも周知

【建設工業新聞 2月 4日 2面記事掲載】

国土交通省は、1日から適用された新たな公共工事設計労務単価を技能労働者への賃金支払いに適切に反映させるよう、建設業界団体に1月30日付で要請文書を出した。都道府県や政令市など公共工事を発注する地方自治体にも新労務単価の早期適用を要請。不動産業界など民間発注者に対しても、物価や賃金の変動を理由とする受注者からの請負代金の変更申請に柔軟に対応するよう協力を求めた。

業界団体への要請文書では、適正水準の賃金支払いを実現するため、適正価格での下請契約の締結に加え、元請から下請に対し、労働者に賃金を適切に支払うよう要請することも求めた。急激な賃金の変動に対応して請負契約額を変更するインフレスライド条項を適用するなどして、下請契約や技能労働者の賃金引き上げも行うよう要請した。労務単価には、社会保険料となる法定福利費(本人負担分)が含まれている。これを考慮し、技能労働者の社会保険への加入を徹底することもあらためて周知した。

自治体への要請でも、これらの内容を周知。国交省が直轄工事の元請と1次下請を社会保険加入企業に限定する措置を14年度中に導入することを紹介し、同省の事例を参考に各自治体でも検討することを求めた。民間発注者に対しては、建設産業の給与水準が全産業平均を大きく下回っていることを指摘した上で、労務費の上昇にも対応して適正水準の賃金が発注額に織り込まれる必要性を訴えた。

国交省は、設計労務単価が技能労働者の賃金水準の上昇に結び付いているかどうかを把握する実態調査を引き続き実施。今後の単価改定に反映させていく考えだ。

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