2014/3/12 総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会(平成25年度) ①総合評価方式の改善(二極化)の状況と今後の方向性

2014/3/11 総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会(平成25年度)
①総合評価方式の改善(二極化)の状況と今後の方向性

昨年に引き続き第8回目となる総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する
懇談会が開催された。


総合評価方式入札制度の適用が拡大され導入率も高くなっている。
しかし、技術提案・審査に対して、受注者・発注者とも負担が増加し、総合評価の
理念(品質確保、民間の技術力活用)からのかい離
が生じているのではないかなど
問題点も生じていた。
平成24年度より総合評価方式の新方式として、施工能力評価型と技術提案の評価型
二極化し、施工能力評価型は大幅な簡素化、技術提案の評価は品質向上を重視する
方式が採用されてきた。

※新方式の施工能力評価型はⅠ型は施工計画を可・不可の二段階で評価し、Ⅱ型は
施工計画等も求めない
タイプ。
技術提案型は施工能力に加え、技術提案を評価するタイプ。
※旧方式は簡易型、標準型(Ⅰ型、Ⅱ型)、高度技術提案型の3タイプ。

平成26年度より東北地方整備局においても新しい総合評価方式が開始され、
全地方整備局において新方式が本格導入された。
タイプ別の導入では、全体としては施工能力評価型(Ⅱ型)の適用が63.5%
占めるが、地区によって差があり、北海道、中部、沖縄では施工能力評価型(Ⅰ型)の
適用が多く
なっている。


施工能力評価型(Ⅰ型)では施工計画の審査を可か不可かで審査しているが、364件中、
可は364件、不可は6件という結果だった。
資料作成や審査に関する時間削減につながったという意見がある反面、技術力低下や
施工の工夫の提案が減る
等の意見もある。

施工能力評価型の選定や審査について、現状の運用で良いかという検討がされており、
課題の①として、施工能力評価型のタイプ(Ⅰ、Ⅱ)の選定及び施工計画の審査について
案が出された。
①施工能力評価型のタイプ(Ⅰ、Ⅱ)の選定において、特に施工計画を求めて企業の
能力を評価する必要がある工事について整理

②競争参加者へ求める施工計画のテーマ設定及び審査基準について整理(各地方
整備局等の運用の実態を踏まえて行う)

関東地方整備局の試行例が示された。


問題点として、特定の企業への受注の偏り、企業の新規参入を阻害しているのでは
という意見が出されている。
施工能力評価型では、特定の企業への受注偏りの懸念が増加と回答されている。
競争参加者からは以下のような意見が出されている。
・受注実績の少ない中小企業にとっては、工事表彰等の加点が大きく影響している。
・企業が工事実績(同種性)を持っていない場合には大差が生じる。

二極化導入前後での全体受注件数の上位10%の企業の受注件数割合は若干減少
しているが、上位10%で32.5%の件数を占めている。
新方式での実施が少ないため今後注視していく等の意見が出された。


課題の②として、特定の企業に受注が偏り、企業の新規参入を阻害しているということが
挙げられた。
検討の方向性として
企業の実績(同種工事の実績、工事成績、表彰等)に関する加点評価とせず、
技術提案のみを加点評価
する。

②新規参入を含めた企業の技術的能力の審査を公正かつ効率的に行うため、
地方公共団体における工事成績を評価できる仕組みの推進(工事成績評定の
標準化、統一データベースによる成績データの蓄積・共有)

関東地方整備局の試行例
が示された。
技術提案チャレンジ型総合評価方式・・・簡易な施工計画のみを評価
自治体実績評価型総合評価方式・・・都県、政令指定都市の工事成績・表彰も
評価対象
とする。




新しい総合評価方式は平成24年度から試行を開始し、平成25年度には多くの地方整備局で
本格運用がされている。
平成25年12月においては新方式での実施が87%を占めている。



施工能力評価型Ⅰ型のアンケート結果から、負担が軽減したという意見も増えているが、
変わらない、負担が増加したという意見も見られた。

評価項目の配点割合・妥当性のアンケート結果からは、技術者の能力の配点が高いのでは
という結果となった。

委員からは以下のような意見、質問が出された。
・特定の企業に受注が偏っているが、品質確保という観点からは特定企業に偏るのは
問題ないのではないか。
・これまでの実績を重視し、特定業者に偏れば工事成績は上がる。工種にもよるが
工事成績に影響がなければ新規参入があれば新しい提案や工夫もあり、活性化につながる。
・提示されたデータは全体の平均であるが国道事務所とかによって異なる。局全体にすると
今回の集計結果になるが、事務所ごとに掘り下げてみると結果も変わってくるのは。
・23年度と25年度の比較をしているが、発注量、マーケット等も大転換した時期なので、
一概に比較はできなく今後も引き続き調査していく必要がある。
・二極化し施工能力評価型と、技術提案評価型が採用されていること、その内容・効果が
伝わっているか?伝わっていないのでは。
・今回のデータは新方式での実施が少なく工種によっては1~数件というケースもあり、
参考とならないものもある。結果が出るにはもう少し時間がかかる。

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