2014/5/9 国交省/大型車両の取締強化/道路老朽化進行に影響、重量制限2倍超は告発も

【建設工業新聞 5月 9日 1面記事掲載】

国土交通省は、道路の老朽化の進行に大きな影響を及ぼす重量制限を超過した大型車両に対する取り締まりを強化する。9日に「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」を発表。道路法に基づく車両制限令で定めた軸重の2倍を超えたり、違法状態を続けたりする車両を持つ事業者を告発するなど従来よりも厳しく対応する。同日、全日本トラック協会に徳山日出男道路局長が適正化方針への協力を要請する。

社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会が4月にまとめた「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」を踏まえた具体的な措置の一つとして、適正化方針を発表する。

車両制限令では、決められた規格を超えた車両の通行は道路構造や交通に支障を及ぼす恐れがあるとして、軸重が10トンを超える車両の通行を原則認めていない。これまでも一斉取り締まりなどで違反が判明した場合は是正を指導。直轄管理の国道に設けた自動計測装置の上を違法状態で3カ月に20回以上通過した車両を持つ事業者を国道事務所に呼び、警告書による指導を行っており、13年度は約300件に達した。今後は、悪質な違反車両や違法状態を繰り返している場合は社名を公表した上で告発に踏み切る。取り締まり強化の一方で、車両制限令に定める軸重を守っていれば、車両の長さ規定を緩めるなどの措置も検討する。

国交省によると、「軸重20トンの車両が通過した道路は、軸重10トンの車両が4000台通過するのと同程度の影響を道路に与える」(車両通行対策室)という。道路の老朽化が進行する中、過積載車両などが後を絶たない状態は看過できないとして、取り締まりの強化に乗りだすことにした。直轄国道を対象とした適正化方針の内容は地方自治体や高速道路会社などにも紹介し、同様の取り組みを求めるという。

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