2014/5/12 日建連、国交省ら/5月13日から意見交換会/円滑施工と担い手確保テーマ

【建設工業新聞 5月 12日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)と、国土交通省など公共発注機関との14年度「公共工事の諸課題に関する意見交換会」が、13日の関東地区を皮切りに6月5日の東北まで全国9地区で開かれる。メーンテーマは「円滑な施工」と「担い手(技術者・技能労働者)の確保」。日建連は、実勢価格を反映した積算や、担い手確保・育成につながる技術者要件の緩和などを求める。工期延長に伴う追加費用負担や適正工期の設定についても踏み込んだ議論を行いたい考えだ。

会合で日建連は、13年度補正と14年度当初を合わせた15カ月予算への対応、東日本大震災の復興、防災・減災対策、老朽インフラの再生、2020年東京五輪関連事業に会員企業の総力を挙げる方針を表明する。その上で、▽公共事業の安定的・継続的確保▽国土強靱(きょうじん)化・都市インフラ整備・災害対応力強化・広報活動の充実▽震災復興の加速▽インフラ老朽化対策―の取り組みを議論、確認する。

円滑な施工と担い手の確保は、議題を検討するに当たって会員企業に実施したアンケートに基づき、メーンテーマに設定した。継続して議論している入札契約制度改善に加え、▽現場の円滑な施工の確保▽担い手の確保・育成▽公共建築工事の円滑な施工の確保―について話し合う考え。具体的には、改正公共工事品質確保促進法(国会で審議中)の的確な運用と、発注ロットの拡大、2段階選抜方式・一括審査方式の導入拡大を要請。工事発注見通しや資機材調達情報の共有化に向け、各地域で運用されている協議会の活用を促す。

公共工事設計労務単価の引き上げなどで是正されつつあるものの、発注者側の積算が実勢価格とかい離しているとみる会員企業は依然多い。このため実勢価格の機動的な調査や、人材・資機材・工事一時中止費用の適正な算入と支払いなどを申し入れる。適正な工期の設定や、設計変更、インフレスライド条項の確実な実施も求める。

担い手の確保・育成では、若手監理技術者の育成に配慮した総合評価方式の入札をWTO政府調達協定が適用される大規模工事にも導入したり、専任補助者を含む監理技術者の実績・専任要件を緩和したりすることを要望。技能者確保の総合的な取り組みについても議論を深める方針だ。
 

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