2014/6/20 国交省地方課長・技術調査課長会見/社会保険未加入排除、自治体にも波及を

【建設工業新聞 6月 20日 1面記事掲載】

国土交通省の岸毅明官房地方課長と田村秀夫官房技術調査課長が建設専門紙各社と会見し、8月1日から同省直轄工事で実施する社会保険未加入業者排除に向けた取り組みと展望を語った。中長期的な担い手確保を目的とした改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)が施行されたことも踏まえ、岸課長は「(社会保険未加入業者排除で)現場の技能労働者の処遇改善が進めば、担い手の確保にもつながる」と指摘した。

田村課長は、改正法に明記された発注者の責務の中に、「発注者間の連携」が盛り込まれたことに言及。社会保険未加入対策も「直轄工事だけでなく、自治体発注工事、さらに民間工事を含めて、市場全体に働き掛けていくことが重要だ」との認識を示した。特に自治体への波及に向けては既に文書での要請を行っており、これに加えて、発注者協議会や地方公共工事契約制度運用連絡会議(地方公契連)などを利用して周知を徹底。他省庁など国の発注機関にも導入を働き掛けていく考えを示した。

直轄工事の未加入業者排除策では、元請業者が未加入の場合は入札への参加を認めず、未加入の1次下請業者がいる場合は、その元請に対して制裁金などのペナルティーを科す。当面、施工体制台帳の作成・提出が義務付けられている下請契約総額3000万円(建築は4500万円)以上の工事で排除策を実施。来春にも施行予定の改正公共工事入札契約適正化法(入契法)で、作成・提出義務がすべての公共工事に拡大することから、岸課長は未加入業者排除策についても「実施状況を踏まえて、(対象拡大を)検討していく」と述べた。

田村課長は「未加入対策は建設業行政全体で取り組むのが本来の姿。(社会保険加入に必要な)法定福利費を適正に確保し、加入していることが当たり前のようにならなくてはいけない」と強調した。

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