2014/6/23 日建連/改正品確法への対応決議/行き過ぎた価格競争是正、適正工期の契約徹底

【建設工業新聞 6月 23日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は20日の理事会で、建設業の担い手確保など目的にした改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)が施行されたのを受け、改正法の理念の実現に向けた決議を行った。「建設業が健全に発展するための枠組みが法制化された」とし、担い手確保に向け「行き過ぎた価格競争を是正し、適正な利潤を確保できるよう努める」と表明。「適正な受注活動の徹底」など六つの取り組みを会員一丸で推進するとした。

取り組みは、▽適正な受注活動の徹底▽労務賃金の改善▽社会保険などの加入促進と作業所労働時間・労働環境の改善▽発注者との連携による円滑な施工確保▽民間工事施工に当たっての対応▽適正な施工と企業活動の徹底。改正法で規定された受発注者の責務を踏まえて決定した。具体的には、適正価格での下請契約、技術者・技能者の確保・育成など受注者の責務の履行には適正利潤の確保が不可欠と強調。13年4月の「民間工事における適正な受注活動に関する決議」も踏まえ、「適正な価格と適正な工期での契約に徹する」とした。

さらに適正な下請契約、賃金支払いを確実に実施。4月に公表した「建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言」に基づき、技能者の年収が全産業平均レベルの約530万円になるよう努めることを規定した。作業所の全日曜閉所と土曜閉所拡大による労働時間・労働環境の改善、17年度までに下請会社の社会保険完全加入と技能者の製造業並み加入を目指すことも打ち出した。

円滑な施工確保では国土交通省と関連方策を検討する。併せて各支部も国交省の各地方整備局と協議し、7月からは整備局などの担当者を講師に全国9地区で会員向け講習会を開催。設計変更、スライド条項、工事一時中止の手続きなどを周知する。改正法の理念は民間工事にも通じるとして、民間工事でも適正価格・工期での契約に徹するとした。国民の信頼を損なわないよう公正・誠実な企業活動を実践する考えも示した。

中村会長は同日の記者会見で、改正法について「われわれを助けるためではなく、健全に仕事をするためのエールをもらったと考えている」と述べ、決議実行への意欲を示した。決議について国交省の吉田光市建設流通政策審議官は「受注者団体のリーダー的存在である日建連がいち早く意思決定された。国民から信頼される産業であるためにも、業界をけん引する役割を果たしてほしい」とコメントした。

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