2014/7/30 自治体/BCP策定企業の優遇拡大/総合評価方式で加点、岐阜県は団体も認定

【建設工業新聞 7月 30日 1面記事掲載】

災害に備えた事業継続計画(BCP)を策定した建設会社を優遇する自治体の取り組みが広がってきた。計画を審査・認定した建設会社を格付けや総合評価落札方式の入札で加点評価する自治体が増えている。岐阜県は、地域一帯の防災力の向上を目的に、団体を認定対象とする全国でも珍しい制度を創設。29日付で岐阜県建設業協会を認定した。具体的な優遇措置は「今後検討する」(建設政策課建設業係)としているが、災害時の緊急対応を担う建設業界への期待は大きい。

全国建設業協会(全建)の調査によると、BCPを策定した建設会社への自治体の優遇措置は手厚くなりつつある。書類や面接でBCPの内容をチェック。認定されされた建設会社は格付けや総合評価方式の入札で有利になる。総合評価方式の入札では高知県のように「10点」を加算する自治体もある。同様の取り組みは既に国土交通省の地方整備局が行っており、整備局が認定した建設会社を認定済みとして扱う自治体も複数ある。

認定対象はこれまで個別企業だったが、岐阜県は団体を対象にした「岐阜県建設業広域BCM(事業継続マネジメント)認定制度」を本年度に創設。県内の建設業関連団体を対象に認定希望者の募集を5月に開始した。BCMは、BCPの策定に加え、事業継続のための予算・資源の確保、教育・訓練の実施、点検・改善活動といった平時の対応を含む取り組みの総称で、県は地域の防災力をさらに高めるため、BCMが行える団体を認定することにした。

「団体を対象にした事業継続に関する認定制度は全国初」(建設政策課建設業係)という。団体の認定で、▽団体組織全体の事業継続力・危機管理能力の向上▽会員のBCP策定の促進▽災害時の応援協力・広域連携の実効性向上▽経営資源の相互補完-が期待できるとみる。認定団体が得られるメリットも検討中という。

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