2014/8/1 国交省/社会保険未加入業者の排除対策始動/入札公告の参加資格要件に明示

【建設工業新聞 8月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は1日、社会保険未加入業者を直轄工事から排除する対策を始める。同日、入札手続きが開始される工事は全国で六十数件。入札公告にそれぞれ、競争参加資格条件として「社会保険に加入していること」との文言を入れる。1次下請業者の扱いは契約書に明記。施工体制台帳の記載事項から未加入が発覚した場合、元・下請間の最終契約額の10%相当額を制裁金として元請に請求する。

元請となる建設会社の社会保険への加入状況は、入札参加時に確認。未加入だった場合には、入札への参加を認めない。1次下請の対策は、施工体制台帳の提出が必要な下請代金総額3000万円(建築一式は4500万円)以上の工事が対象で、元請業者に対し、未加入の1次下請業者とは原則として契約を交わさないよう求める。制裁金は、未加入の1次下請と契約したことが判明した場合に請求する。加えて、対象工事を発注した整備局の管内での指名停止措置や、工事成績評定での減点評価も行う。

施工体制台帳の記載事項から未加入が発覚した下請業者については、2次以下も含めて指導・監督を強化する。具体的には、発注部局から建設業担当部局に通報し、個別に加入指導を実施する。国交省では、1日からの対策実施に備え、5月に地方整備局に対し手続きの詳細などを通知。併せて、地方自治体などにも同様の取り組みを実施するよう促した。自治体や業界向けの説明会も開くなどして、対策内容の周知を図ってきた。

国の機関が発注する公共工事では、インターネットなどで一元的に申請を受け付ける15・16年度の競争参加資格審査を経て入札参加の有資格業者名簿に登録する建設業者を、社会保険加入業者に限定することになっている。このため、国交省直轄工事と同様の排除策が今後、他の府省庁にも広がっていく可能性もある。1日から入札手続きに入る工事は、9月にも受注業者が決まる見込み。準備期間を経て提出される施工体制台帳に基づく加入状況の確認作業は、秋から行われることになりそうだ。

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