2014/8/22 国交省/多様な入札契約モデル事業に5件選定/維持管理一括やECI方式など

【建設工業新聞 8月 22日 1面記事掲載】

国土交通省は、地方自治体から募集していた多様な入札契約方式モデル事業で第1弾の支援対象となる5件を選定した。今後、それぞれの事業を行う自治体に対し、国交省が選定・契約するモデル事業支援者を派遣。地域の社会資本の維持管理や大規模施設の整備に適した具体的な入札契約方式の導入を検討し、入札説明書・仕様書の作成や入札参加者の評価といった支援を行い、実現を後押しする。

モデル事業が選定された自治体は、秋田県大仙市、宮城県、相模原市、愛知県新城市、大阪府の5団体。モデル事業の成果は、地域の課題解決に役立つ入札契約方式としてマニュアルなどにまとめ、他の自治体にも参考にしてもらう。

大仙市は道路維持・除雪事業、宮城県は道路除雪事業、大阪府は建築物の補修事業でそれぞれ、地域の社会資本の維持管理に役立つ方式として、複数年契約、複数工事一括契約、共同受注といった手法を選択・組み合わせる方向で検討。相模原市は、公共下水道の整備で設計・施工一括発注方式や計画・設計の早期段階から施工者が参画するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式、新城市も庁舎建設事業にECI方式を導入することを視野に入れている。

多様な入札契約方式は、先の通常国会で成立した改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に明記され、工事の性格や地域の実情を踏まえて導入・活用することが規定された。モデル事業は、改正法に基づく自治体の取り組みを後押しする目的で、本年度に創設。6月20日~7月25日に募集し、小澤一雅東大大学院教授、大森文彦東洋大教授(弁護士)、古阪秀三京大大学院准教授を学識者メンバーとする選定・推進委員会の議論を経て、モデル事業として選定した。

モデル事業支援者の公募は、9月上旬に開始。10月上旬には支援者を決定し、来年3月までを期間として支援業務を実施する。大仙市は、単年度の除雪契約では降雪状況に収入が大きく左右されることから、複数年での契約と、夏場の維持管理を含めた発注方式への転換を検討。除雪に従事する企業の経営環境を安定化させることを目指しているという。

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