2015/03/03 技術検定試験の受験年齢上昇/国交省、若手確保へ試験制度のあり方検討

【建設工業新聞 3月 2日 1面記事掲載】

国土交通省は、建設業界の若手技術者の確保・育成に向けた検討を本格化させる。2月25日に開かれた「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)の第3回会合で、1級土木施工管理技術検定の学科試験受験者が減少し、平均年齢も上昇傾向にあることを示す資料を提示した。検討会は今後、若手技術者の受験を考慮した試験制度のあり方を含めた検討を進めていく。

国交省が示した資料によると、学科試験の受験者数は2000年度以降では01年度が7万0916人で最も多く、13年度は3万2639人へと半減した。受験者数が減少する中で、受験者の年齢は緩やかに上昇。05年度に35・8歳だった平均年齢が13年度に37・8歳まで上がっていることが分かった。監理技術資格者証の保有者数も、39歳以下の人数の減少が続いている。

技術者が高齢化し、若年層が減少する建設業界の現状や、受験者数の減少と平均年齢の高齢化といった課題を踏まえて国交省は、将来の適正な施工の確保と企業の技術力の維持・継承を実現するには、若手技術者の確保・育成が重要だとした。現在の技術検定の受験資格によると、指定学科の大卒者は主任技術者に最短で24歳、監理技術者には26歳でなることができる。一方、指定学科の高卒者は主任技術者に最短で22歳、監理技術者には26歳でなれる。検討会では、こうした制度の現状を踏まえ、工事現場での監理技術者や主任技術者の業務内容の実態や、技術者制度をめぐる改善要望を各業界団体にヒアリングし、議論に反映させていく。

昨年12月の第2回会合で日本建設業団体連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、住宅生産団体連合会(住団連)の3団体から意見聴取したのに続き、2月25日の第3回会合では、全国中小建設業協会(全中建)とJBN(全国工務店協会)の2団体から意見を聞いた。次回以降もヒアリングを続け、技術者制度をめぐる課題を探る。検討会は今夏から秋にかけて議論の結果をまとめる。検討会の成果を技術検定制度に反映させる場合は、16年度以降に実施する試験からとなる。

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