2015/03/25 国交省/現場代理人の実績、監理技術者と同等評価/若手の活躍機会拡大へ

【建設工業新聞 3月 25日 1面記事掲載】

国土交通省は、若手技術者が務めることが多い現場代理人としての工事実績を、総合評価方式の入札で監理(主任)技術者としての実績と同等に評価する方式を拡大する。若手が実績を積む機会を広げ、技術の継承や中長期的な担い手確保・育成につなげる狙いだ。24日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に報告した。  

  適用を拡大するのは、現場代理人として同種工事の実績があれば、監理(主任)技術者の立場で同種工事に関わった場合と同数の加点を行う方式。中国や九州など一部の地方整備局では既に導入しており、北海道開発局も15年度から総合評価方式を採用する全工事に採用することをこのほど決めている。四国整備局の分析では、同等の評価を行った入札で参加者の6割強、落札者の4割が現場代理人の実績を活用。工事成績評定点の平均も監理(主任)技術者と現場代理人は同じで、さらに35歳以下の現場代理人の平均点数は、41~50歳以上の監理(主任)技術者とほぼ同じだった。同省は工事品質の低下も確認されないことから、順次を広げていく方針だ。  

  総合評価方式では、監理技術者の能力を加算点の対象にしているため、入札参加者は監理技術者に優秀な技術者を配置し、現場代理人に若手を据えることが多い。すべての整備局が現場代理人の実績への加点を試行しているものの、監理技術者の半分しか加点しないケースが少なくない。若手の監理(主任)技術者の代わりにベテランの専任補助者の工事実績を評価する試行工事も一部整備局が行っているが、企業側の負担感から活用が進んでいない。

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