2015/04/03 国交省/下水道歩掛かり見直し/管路敷設替えなど追加、更新需要増に対応

【建設工業新聞 4月 3日 2面記事掲載】

国土交通省は、下水道の工事や設計等委託業務の予定価格を算出する際に使う標準歩掛かり表を1日付で改定した。改築・更新の需要増に対応。設計委託の新たな対象業種として管路の敷設替えや非開削更生の実施設計、耐震診断調査、予防保全手法を踏まえた長寿命化計画策定をそれぞれ追加した。改築・更新に関する工事の歩掛かりへの反映については、工事に必要な人員や資機材など全国的な標準量を調べた上で、17年度にも対象工種に管路の敷設替え工事などを追加する方針だ。

下水道管理者の地方自治体に参考にしてもらう工事や設計の歩掛かりは、最新の現場実態に合わせた数値を設定するため毎年見直している。従来の歩掛かりは施設の新設を前提に設定されていた。今回の改定で管路敷設替え実施設計などを追加するのは、今後の下水道事業で人口減少や老朽ストックの増大に伴って新設より改築・更新の需要が新設需要を上回るとみられるため。適正な積算基準が整備されないままだと、入札の不調・不落が増えたり、工事や業務を受注する企業が適正な利益を確保できなかったりするとみて、改築・更新事業費の積算も重視する内容へと見直した。

今回の改定では、設計と基本計画策定の委託費の率計上の積算方式について、受注企業の本社経費を算出する一般管理費等率も30%から35%にそれぞれ引き上げた。改正公共工事品質確保促進法など「担い手3法」の趣旨を踏まえ、受注業者の適正な利益を確保する狙いがある。このほか、管路工事費の歩掛かりには最近普及している「リブ付き硬質塩化ビニル管呼び径400ミリおよび450ミリ」を追加。ポンプ場・処理場の工事費の歩掛かりでは、機械設備の「機器等据付工」の歩掛かりを見直したほか、共通仮設費の安全費に含まれる「酸素欠乏症等の予防費」を従来の積み上げ方式から率計上方式に変更。電気設備の「機器設置工」の歩掛かりも見直した。

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