2015/05/28 国交省/歩切り早期根絶へ全都道府県と申し合わせ/監理課長会議で合意めざす

【建設工業新聞 5月 28日 1面記事掲載】

国土交通省は、公共発注機関が入札時の予定価格を根拠なく引き下げる歩切りの早期根絶をはじめ、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)など担い手3法の着実な運用を都道府県と申し合わせる方向で調整に入った。都道府県の担当者が集まる15年度上期ブロック監理課長等会議(全8カ所)での合意を目指し、呼び掛けを始めた。初回の北海道・東北地区(25日、仙台市)では、1道6県の担当者と管内市町村が歩切りを速やかに見直すよう支援していくことを申し合わせた。

都道府県の建設産業行政担当者と議論する監理課長等会議で国交省は今回、担い手3法の運用徹底を最大のテーマに据えている。同省は特に、改正公共工事品確法で発注者の責務とされた「適切な積算に基づく適正な予定価格の設定」を実現するため、歩切りの早期根絶を目指している。既に都道府県が音頭を取って管内市町村で歩切り廃止を申し合わせている地域もあり、歩切りの早期根絶には都道府県の取り組みが鍵を握ると国交省は見ている。都道府県との申し合わせによって、市町村への効果的なアプローチを展開してもらいたい考えだ。

監理課長等会議は7月まで全国を8地域ブロックに分けて開く。初回となった25日の北海道・東北地区の会議では、担い手3法の着実な運用に向けた取り組みを進めることを申し合わせた。その際、都道府県の建設産業行政担当者が入札契約担当者と一層連携していくことも確認した。申し合わせでは、取り組みの第一歩として歩切りの早期見直しを挙げ、歩切りを行っている市町村に対し、廃止に向けた助言などの支援を実施するとともに、市町村長や議会に歩切り廃止の重要性を伝えていくことでも合意した。国交省などの調査によると、今年1月1日時点で、全自治体の約4割に当たる757団体が歩切りを実施。うち3分の2の団体が「見直す予定」と答えた。一方、156団体は見直しに否定的な見解を示し、中には「見直しを行う予定はない」と答えた自治体もあった。規模が小さい自治体ほど歩切りを実施している比率が高くなるという。

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