2015/12/17 15年度補正予算案/国交省関係総額は4736億円/災害復旧・防災減災3611億円

【建設工業新聞 12月 17日 2面記事掲載】

9月の関東・東北豪雨を受けて推進する災害復旧事業や全国的な緊急防災対策などの裏付けとなる政府の15年度補正予算案で、国土交通省関係の概要が16日明らかになった。総額は国費ベースで4736億円。うち地方自治体の緊急防災対策支援などを行う「災害復旧・防災減災事業への対応」に3611億円、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備などを推進する「1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」に436億円をそれぞれ充てる。

国交省関係の補正予算案の概要は同日開かれた自民党の国交部会(秋元司部会長)で提示された。政府全体の補正予算案は18日の臨時閣議で決定し、来年1月4日召集の通常国会に提出される。

災害復旧・防災減災事業への対応では、15年に起きた関東・東北豪雨をはじめ台風や豪雨で被害を受けた公共土木施設の災害復旧などに870億円を投じる。

今後、自然災害リスクが高い地域で優先的に進める重要インフラ施設の緊急防災対策にも予算を計上した。内訳は、河川742億円、道路710億円、港湾130億円、空港31億円、鉄道21億円、航路標識11億円。道路の緊急防災対策では災害時でもネットワークを確保できるようにする代替路の整備を推進する。

さらに自治体による水害・土砂災害対策などの緊急防災対策も進むよう、防災・安全交付金に997億円を充てる。

政府が11月に決定した1億総活躍社会の実現に向けた緊急対策関連では、子育てを行いやすい3世代同居に対応する良質な木造住宅の整備などに63億円、サ高住の整備に対する補助制度の拡充などに189億円、公的賃貸住宅団地のバリアフリー改修などに98億円をそれぞれ充てる。

急増する訪日外国人旅行客の受け入れ環境の整備にも予算を重点配分。港湾での大型クルーズ船対応ターミナルの整備などに44億円を投じる。

補正予算で進める公共事業の発注平準化措置として、当該年度の支出がゼロになる国庫債務負担行為(ゼロ国債)を活用して年度内の発注契約を進める。ゼロ国債には事業費ベースで2960億円を見込む。

補正予算の事業全般で円滑な施工の確保や予算の早期執行に努めるため、建設事業の生産性を抜本的に向上させる「i-Construction」を推進するとしている。

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