2016/02/29 地域建設業経営強化融資ーJK協組が電子債権活用/三菱東京UFJ銀と利用契約締結

【建設工業新聞 2月 29日 1面記事掲載】

中小・中堅元請建設企業の資金調達の円滑化を図る国土交通省の「地域建設業経営強化融資制度」で、電子記録債権を活用した融資が行われることになった。第1号はジェイケー(JK)事業協同組合(高野誠理事長)で、三菱東京UFJ銀行と利用契約を締結した。公共工事請負代金債権を担保に元請業者に転貸融資を行っていた従来スキームを電子記録債権に置き換えることで、融資の際の印紙税負担が軽減される。年度末の資金需要に対応した融資の実行を目指す。

電子記録債権を活用した融資を行う新たなスキームでは、建設業振興基金の「建設業安定化基金」を使った債務保証を行うことで、企業の信用力によらないノンリコース割引で低金利の資金調達を可能にする。

08年秋のリーマンショック後の経済対策の一環で創設された同制度は、元請業者が公共工事発注者に対して持つ請負代金債権を事業協同組合に譲渡し、それを担保に出来高に応じた資金を調達できる。

「建設業金融円滑化基金」を原資に金利負担や工事の出来高査定の経費に対する助成を行っていたが、同基金が枯渇したことで昨年9月末の融資実行分で助成は終了。制度を構築した国土交通省は、助成終了後も利用者の負担が少なくて済む代替案として、電子記録債権を活用した新たなスキームを検討し、債権譲渡の承諾を得るための依頼書や債務譲渡報告書など、電子記録債権の活用を前提とした各種様式を整備して利用を促していた。

JK事業協組は、傘下に置く約450社の企業を対象に、下請セーフティーネット債務保証事業や地域建設業経営強化融資制度を利用した融資を行ってきた。14年度末までに3560件、総額で1045億31百万円の融資実績を持つ。

今回の電子記録債権を活用した新スキームを取り入れることで、引き続き傘下の企業の資金需要に応えていく。

同協組が融資を実施するに当たり、建設業振興基金も、東京三菱UFJ銀行と電子記録債権を前提とした債務保証に関する契約を締結した。

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