2016/06/15 国交省/社保加入で下請指導指針改定/法定福利費明示見積書の活用徹底

【建設工業新聞 6月 15日 2面記事掲載】

国土交通省は、社会保険加入に関する下請指導ガイドラインの改定案をまとめた。法定福利費を内訳明示した見積書の提出を、従来の元請・1次下請間と同様に、1次・2次下請間でも見積もり条件として明示することを記載。内訳明示の見積書が建設業法に規定する建設工事の見積もりに該当するとし、見積書の位置付けを明確化した。7月12日まで、改正内容への意見を受け付ける。

ガイドラインの改定は、5月に東京都内で開いた国交省と84の関係団体が参画する「社会保険未加入対策推進協議会」(会長・蟹澤宏剛芝浦工業大教授)の会合で、法定福利費の確保に向けた取り組みの強化を申し合わせたことを踏まえて行った。

国交省は社会保険加入の目標として「17年度をめどに許可業者単位で100%、労働者単位で製造業並み」を設定している。元請企業と下請企業が社会保険加入に向けて負うべき役割や責任を明確にしたガイドラインの内容を一段と強化することで、目標達成に向けた活動につなげる。

改定内容は、法定福利費を内訳明示した見積書の活用を徹底するのがポイントで、専門工事業団体が作成した標準見積書の活用を明記した。元請企業は内訳明示の見積書を提出するよう下請企業に働き掛けるとともに、提出された見積書を尊重して下請負契約を締結するよう明示。さらに、1次・2次下請間も同様に、内訳明示の見積書の提出を見積もり条件にする。1次下請企業には雇用する労働者や2次下請の法定福利費を確保することを求める。

国交省は内訳明示の見積書の活用を徹底するため、許可部局による立ち入り検査も実施する。元請から下請への活用の働き掛けや、下請から提出された見積書の尊重などの状況を確認し、必要に応じて指導する。2次以下の下請業者を対象に、内訳明示の見積書の作成方法に関する研修会を7月から全国で順次開催していく。

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