2016/09/23 政府/国土強靱化貢献企業に低利融資/オフィス建替や耐震補強対策

【建設工業新聞 9月 23日 1面記事掲載】

政府は、民間企業の防災・減災対策を認証して支援する「国土強靱(きょうじん)化貢献団体」向けの支援メニューを拡充した。主に関西地方を営業エリアとしている紀陽銀行(和歌山市)を通じ、新たにオフィスの建て替えや耐震補強などの設備投資への低利融資などを行う。主に南海トラフ巨大地震で大津波の襲来が予想される関西地方の太平洋沿岸部にオフィスなどを置く企業の活用を見込んでいる。

16日付で導入した新たな融資メニュー「ビジネスレジリエンス対策ローン」は、国土強靱化貢献団体の認証を受け、同行との取引実績がある企業に適用する。オフィスや工場など事業用施設建築物の建て替えや耐震補強、高台移転などの設備投資に使うことを条件に、返済利率を現在の所定利率から0・2%幅引き下げ、返済期限を10年から20年へ倍に延ばす。

国土強靱化貢献団体の認証制度は16年度に創設され、認証を受けている企業は現在44社(団体含む)。うち建設関係は業種別割合で最大の3分の1強を占める16社に上る。従来、政府が国土強靱化貢献団体に講じる優遇措置は、政府公認のレジリエンス認証マークを商品のカタログなどに貼って宣伝することを認めるだけだった。

今後、政府はさらなる設備投資への融資の拡充を目指すとともに、引き続き国発注工事の入札などで加点評価できるようにする検討も進める。

国土強靱化貢献団体の制度運用は、建設関係などの企業・団体でつくる一般社団法人のレジリエンスジャパン推進協議会(会長・三浦惺NTT会長)が担当している。

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