2016/10/21 国交省/施工管理技術検定、若手確保へ見直し/2級学科、土木・建築は年2回試験

【建設工業新聞 10月 21日 1面記事掲載】

国土交通省は、施工管理に関する国家資格を取得する技術検定制度を見直す。若年層の受験者が多い2級学科試験の「土木」と「建築」の2種別で17年度から年2回試験を実施する。2級建築の検定は3種別の専門に分かれていた学科試験を統一問題にし、実地試験に種別ごとの専門問題を加える。1、2級の学科試験合格者には新たな名称「技士補」(仮称)を付与する。受験機会の拡大や試験体系の合理化で若い受験者を増やし、建設業界への若手の入職促進と定着につなげる。=2面に関連記事

国交省は19日に東京・霞が関の省内で開いた「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)で技術検定制度の見直し内容を提示し、了承された。

建設業法に基づく技術検定は、監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得する試験。土木、建築、管工事、電気工事、建設機械、造園の6種目それぞれに1級、2級があり、学科試験と実地試験で構成する。最近は受験者数が減少しており、受験者・合格者の平均年齢も上昇傾向にあるという。

国交省は建設業界への若手の入職促進と定着を図るため、求める技術力の水準は維持しつつ、若年層への受験機会の拡大や受験要件の緩和について検討してきた。

今回の見直しでは、担い手確保の観点から若年層の受験者が多く、高校在学中の合格者の増加が期待できる「2級学科試験」を現在の年1回から2回に増やす。17年度から土木と建築の2種別で先行的に実施する。効率的な運営体制や増加費用の程度、受験者の動向などを把握するとともに、本格実施に向けた環境整備を進める。

2級建築施工管理技士の試験は、建築、躯体、仕上げの3種別に分けて実施している。16年度2級学科試験から受験年齢を大幅に引き下げ、高校在学中の受験が可能となったが、合格した種別が就職した会社の業務と異なる場合、学科試験を受け直す必要があった。そこで学科試験の種別ごとの問題を無くし、共通問題に統一。実地試験に種別ごとの専門知識に関する問題を追加する方向で詳細を詰める。

入職者の確保や資格取得の意識を醸成するため、1、2級の学科試験合格者に対して新しい名称の「技士補」(仮称)を付与する。1級技士補と2級技士補の位置付けを明確化するとともに、更新制や有効期間などについて引き続き検討する。

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