2016/11/09 長野県/低価格入札対策を強化/17年度から全下請企業に標準見積書提出求める

【建設工業新聞 11月 9日 5面記事掲載】

長野県は、県発注工事の低価格入札対策を強化する。予定価格の90%未満(2億円以上は85%未満)の落札者に実施している「契約後確認調査」に、技術者の追加専任配置や法定福利費を内訳明示した標準見積書を2次以下を含むすべての下請企業から提出させるなどの措置を追加する。17年4月以降の公告案件から適用する。

15年度の県発注工事のうち、契約後確認調査の実施率は4・1%(1789件中、73件)だった。

技術者の追加専任配置では、予定価格3500万円以上の土木工事と同7000万円以上の建築工事で契約後確認調査の対象になった場合、主任(監理)技術者と同等の要件(入札参加の基本要件)を満たす技術者を専任で別途配置することを義務付ける。現場代理人との兼務は認めない。

同様に予定価格3500万円未満の土木工事と同7000万円未満の建築工事の場合は主任技術者の専任配置を義務付ける。

下請を含む適正な労働賃金を確保するため、法定福利費を内訳明示した標準見積書の提出を2次以下を含むすべての下請企業に求めることにした。

県が7日開いた契約審議会では、技術者の追加専任について「技術者の追加配置は受注者に極めて厳しい。ダンピング的な入札はやめよとのメッセージだと受け止めている」(蔵谷伸一長野県建設業協会会長)などの意見が出された。標準見積書の提出を2次以下の下請にまで求める点については「2次以下の下請段階で標準見積書の活用率は低いのではないか」「末端の下請段階での契約内容を把握することは難しい」と実効性を疑問視する指摘もあった。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る