2016/11/24 全建/理事会で要望決定、会長会議で周知/公共事業予算の確保・拡大を

【建設工業新聞 11月 24日 2面記事掲載】

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は22日、東京都内で理事会を開き、全国9カ所で行った16年度地域懇談会・ブロック会議を踏まえた要望を47都道府県建設業協会の総意として決定した。公共事業予算の確保・拡大、地域建設業が人員や機材を継続的に維持するのに必要な事業量の確保などを求めている。要望書は同日、国土交通省や自民党などに提出し、実現を求めた。

要望の表題は「社会資本整備の着実な推進と地域建設業が将来にわたって役割を果たしていくために」。会員の地域建設業が社会資本の整備・維持管理を担いながら、災害対応や除雪といった社会的使命を果たすために必要な施策を列挙した。

17年度当初予算で前年度を上回る公共事業費を確保することや、防災・減災事業費の確保、東日本大震災の復旧・復興工事に適用している特例の継続などを要請。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)と運用指針の自治体への徹底、ゼロ国債やゼロ県債の活用をはじめとする施工時期の平準化、指名競争入札の積極活用、i-Constructionの推進に伴う融資・税制支援、工事関係書類の思い切った簡素化なども盛り込んだ。

要望内容は、同日の全国会長会議で各都道府県建設業協会の首脳に周知した。近藤会長は、事業量の地域間格差をはじめとする問題を指摘した上で、「地域の安全・安心の守り手としての役割を果たすために、必要な事業量を求める意見がある。今年をスタートとして、使命を果たし、地方創生を進める議論を進展させたい」と述べ、それぞれが関係機関に向けて声を上げるよう呼び掛けた。

全国会長会議では、建設業退職金共済制度の見直しに関する報告書、技能者の経験や資格を登録し共通仕様で運用される「建設キャリアアップシステム」の構築状況などについての説明も行った=写真。

冒頭、来賓の佐藤信秋自民党参院議員は「補正予算は地域の建設業に使われるよう明確にしてきた。当初予算は安定的に確保できるよう要請もしている」と対応状況を報告。その上で処遇改善の必要性を強調し、利益率の向上につながる施策の推進に意欲を見せた。足立敏之同参院議員は「建設産業の再生」に向けた施策を進めたいとの意向を表明した。脇雅史全建顧問は、建設キャリアアップシステムについて、「勤めている人が生きがいを持って働ける仕掛けと、会社経営の両方から見ないといけない」と述べ、前向きな議論を求めた。

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