2017/03/15 国交省/17~21年度技術基本計画最終案/3本柱で政策展開、生産性向上など推進

【建設工業新聞 3月 14日 1面記事掲載】

国土交通省は17~21年度の技術基本計画最終案をまとめた。今後の技術政策をより効果的・効率的に進めるため▽人を主役としたIoT(モノのインターネット)などの活用▽社会経済的課題への対応▽好循環を実現する技術政策の推進-の3本柱を設定。生産性革命プロジェクトの推進や基盤情報の整備などに取り組む。オープンイノベーションを通じ、好循環を生み出す環境整備なども進める。

13日に同省で開いた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)と交通政策審議会(交政審、同)合同の技術部会(部会長・磯部雅彦高知工科大学長)に最終案を提示した。部会での議論を踏まえ、3月末までに計画を決定する。

最終案では社会資本、交通の各分野の連携を図る観点から三つの柱を設けた。人を主役にIoTや人工知能(AI)、ビッグデータなどを活用・導入し、「人の力」を高め、「新たな価値」を創出。生産性の向上や働き方改革につなげる。

社会経済的課題に対応するため、▽安全・安心の確保▽持続可能な成長と地域の自律的な発展▽基盤情報の整備▽生産性革命の推進-の四つの視点から技術政策を戦略的に展開。技術研究開発に当たっては、最先端技術の活用が単に人が行ってきたことの置き換えにならないよう、仕事の仕方や慣例、規制、基準も併せて見直し、全体の最適化を目指す。技術研究開発の成果を社会に実装するため、分野横断的に研究開発から技術の普及までの取り組みを一体的に進める。

好循環を実現する技術政策の推進では、技術の開発・活用・評価・改良が連続し、国民に成果が還元されるイノベーションのスパイラルアップを図る。外部の知識や技術を積極的に取り込むオープンイノベーションの推進や、新技術情報提供システム(NETIS)を中核に技術の効果的な活用などに関する環境整備にも当たるとしている。

計画の決定は磯部部会長に一任された。部会での意見を踏まえ、国交省は今後、記述内容を精査する。

国交省の森昌文技監は「持続可能な成長を促していく上で、生産性革命や働き方改革を支えるIoTやAIなどの技術を賢く使いこなしていくことが重要だ。技術基本計画に盛り込み、それを指針としていきたい。技術開発の進め方や社会への実装などについて指導や意見をいただきたい」と述べた。

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