2017/09/27 国交省/法定福利費明示の請負代金内訳書様式作成/計算方法や留意点も参考提示

【建設工業新聞 9月 27日 1面記事掲載】

国土交通省は直轄工事の請負契約書の改定に伴い、受注者が作成して発注者に提出する請負代金内訳書に法定福利費を明示する様式を作成した。10月1日以降に入札契約手続きを開始する案件から適用する。22日付で各地方整備局に通知。法定福利費の計算方法を示すとともに、内訳明示する対象や方法など留意点についても参考送付した。

国交省は中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)の建設工事標準請負契約約款の改定勧告を受け、工事請負、土木設計業務等委託、建築設計業務委託など五つの契約書を改定。工事請負契約書の改定では請負代金内訳書に健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入に必要な法定福利費を明示する規定を設ける。

内訳書の提出対象は、契約書を作成するすべての直轄工事。工事価格のうち、現場労働者の健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入に必要な法定の事業主負担額を明記する。

社会保険の種類ごとではなく、まとめて明示することも可能。直接工事費や現場管理費など工事費目ごとではなく、請負代金総額に対して内訳明示する。社会保険料の個人負担分を除くことが困難な場合はそのことを明記する。

法定福利費の計算方法として、▽労務費を算出して保険料率を乗じる▽過去の工事実績から平均的な法定福利費の割合を算出して工事費を乗じる▽下請企業が提出した標準見積書で明示された法定福利費の額を合算する-の3通りを提示。下請に工事を発注する予定がある場合、下請企業の負担分を含めて算出する。

受注段階で下請企業が確定しておらず、下請企業が社会保険の適用対象か適用除外か不明の場合は、すべての下請企業が社会保険に加入している前提で算出した法定福利費を明示する。

通知文書は国の他の発注機関や地方自治体にも参考送付した。

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