2017/10/12 全建会員/半数以上が「事業量不足」/人員・機材維持困難、地域懇談会で窮状訴え

【建設工業新聞 10月 12日 1面記事掲載】

災害対応にも欠かせない人員や機材を維持しようにも事業量が足りないと考えている地域建設業者が多いことが、全国建設業協会(全建)が会員に行った調査で明らかになった。「必要な事業量を下回る」との回答が半数を超え、約4割は「必要最低限」の維持にとどまる。全建は国土交通省と全国9地区で開く17年度地域懇談会・ブロック会議で窮状を説明し、経営の安定化に向けた事業量確保の必要性を訴える。

調査は、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の効果の把握や、地域懇談会・ブロック会議の基礎資料としての活用を目的に実施。傘下の47都道府県建設業協会のうち40協会・900社が回答した。調査期間は7~8月。

主な結果のうち、会員企業が回答した人材や機材の維持に必要な事業量については、「十分」が7%にとどまった。災害時の緊急対応体制については「十分」が8%で、「必要最低限」は63%、「不足」は27%に達した。「過去3年間に人員・機材を縮小した・手放した」という回答も18%に上った。

会員企業からは、「河川、道路復旧工事で影響が出た」など、災害対応に既に支障を来しているとの意見が寄せられた。除雪作業から撤退する地域建設業者が増えている地域もあり、「必要最低限の小型機械しか保持できないのが現状」という指摘もあった。人員や機材を維持するため、発注・施工時期の平準化や受注機会の均等化を求める意見もあり、全建は当初予算の増額や大型補正予算の早期編成など事業量の確保と経営の安定化に必要な措置の実施を求める。

公共工事品確法の運用指針に関する調査では、「適切な工期設定」について、「以前から考慮されている」「改善された」の合計が国土交通省73%、都道府県68%、市区町村61%で前年度とほぼ同様の結果となった。

建設現場の休日の実態は、4週6休が43%で最も多く、4週4休以下は20%、4週5休は16%、4週8休は5%、完全土日休みは2%などとなった。「望ましい休日」は「完全土日休み」(回答割合34%)と「4週6休」(33%)がほぼ同じで、「4週8休」は23%だった。4週6休を望む意見が多いことについて、全建は「現場が忙しく、まずは4週6休からが現実的と認識する会員企業が少なくない」(事務局)のが理由とみている。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る