2017/10/27 国交省/工事書類の簡素化さらに推進/施工計画書提出期限を柔軟対応

【建設工業新聞 10月 27日 1面記事掲載】

国土交通省は直轄土木工事で、受注者が発注者に提出する工事書類の簡素化をさらに進める。契約後30日以内としている施工計画書の提出期限を柔軟にする。当初に未確定な部分の作成は不要とし、詳細が確定した段階で作成・提出してもらう。各地方整備局の書類作成マニュアルに最新情報を加えて作成書類を統一。整備局独自の取り組みで効果が確認された事項は全国展開を図る。

「工事書類の簡素化のさらなる取り組み」と題した文書を官房技術調査課建設システム管理企画室長名で北海道開発局、沖縄総合事務局を含む全地方整備局に13日付で送付した。

受注者が発注者に提出する施工計画書は、契約後30日以内の提出を基本としている。受注者は、災害復旧対応や予算の早期執行など早急な対応が求められる場合、概略発注や制約条件などにより施工方法が未確定な工種もあるが、概要を記載して提出。その後、詳細が確定すると書類を作成し、提出済みも含め全書類を再提出していた。

書類のさらなる簡素化の取り組みの一環として、施工計画書の提出期限を柔軟にするよう要請した。30日以内の提出時に未確定の内容は書き込まず、詳細が確定した段階で書類を作成。その部分だけを追加提出してもらい、受注者の負担を軽減する。

直轄工事で導入しているASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)を利用した工事情報共有システムもさらに活用する。これまで検査はASPから取得した検査用の書類(紙)に現場で記入し、それを電子化してASPに保存していたが、紙ではなく、電子化された書類に入力してもらうことで、事務処理の迅速化や効率化を図る。

各地方整備局では約5年前に「土木工事書類作成マニュアル」を整備。その後も同省は紙と電子データの二重提出の廃止や、ASP活用による情報共有と電子化による効率化の推進、基準改定による作成不要書類の周知といった簡素化の取り組みを進めてきた。こうした新たな事項をマニュアルに追記して改善を図るよう要請。各整備局はマニュアルについて、地方自治体など他の発注機関とも情報共有するとともに、工事関係者への周知に努めるよう求めた。

通知文書では各整備局独自の取り組みについて、書類削減や省力化の効果が確認され、全国的に展開すべき事項があれば本省に報告するよう要請した。

国交省はこれまでも、工事関係書類を簡素化する取り組みを進めてきたが、現在も工事書類の中に使用頻度の低い資料があったり、現場ごとに作成書類の対応が統一されていなかったりなど、書類削減を求める声が多かった。

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