2017/12/12 公取委/課徴金減免制度見直し/申告上限事業者数の上限撤廃、継続調査協力を義務化

【建設工業新聞 12月 11日 1面記事掲載】

公正取引委員会は、入札談合など独占禁止法に違反する行為を行った事業者に対する課徴金制度を見直す。違反行為を公取委に自主申告した事業者に対する「課徴金減免制度」の見直しが柱。現在は減免を受けられる事業者数の上限と減免幅を一律に定めているが、上限は撤廃し、減免幅は実態解明への協力度合いなどに応じて決める形にする。自主申告した全事業者に申告後の継続的な調査協力も新たに義務付ける。

7日開かれた自民党の競争政策調査会(原田義昭会長)に報告した。来年の通常国会に独禁法改正案の提出を目指す。

課徴金減免制度は、価格カルテルや公共事業の入札談合といった独禁法違反を行った事業者に対し、自主申告した先着順に課徴金を減免する制度。

現在は公取委が調査に入る前のタイミングで申告した最大5事業者までが減免対象。申告順位が1位なら全額免除。2位は半額、3~5位は一律に30%が減免される。

今回の見直しでは、減免対象となる自主申告の事業者数の上限を撤廃。さらに申告順位2位以下の事業者に対する減免幅は、事態解明への協力・有効度合いに応じて設定し、自主申告のインセンティブとする。代わりに、すべての申告事業者を対象に、申告後の継続的調査への協力義務規定を新設する。反対に調査妨害があった場合は課徴金を加算する。

現在は3年間と定めている課徴金算定の対象期間も見直し、別の法律で定める帳簿の保管義務期間と同じ10年間へと延ばす。業種別に設けている課徴金の算定率は撤廃し、現在の建設業を含む「製造業等」に設けられた10%(中小企業4%)に統一する。

今回の課徴金制度の見直しは、6月に決定した政府の17年度版成長戦略「未来投資戦略」に位置付けられている。売り上げの確保を求められる部署・個人単位の取引違反が相次ぐ中、効率的に事業者の協力を得ながら調査を進められるようにする狙いがある。

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