2018/03/06 第6回 ICT導入協議会 省力化・効率化には高い満足度
自社測量や機器導入は後退の動き 電子小黒板に対する苦言も
第6回ICT導入協議会が3月6日に開催された。
立命館大学の建山和由教授が議長を務め、ICT活用工事の現状分析と、今後のICT土工以外の工種のICT化、都道府県への普及等について話し合われた。
議長 立命館大学 建山和由教授 |
1.平成29年度のICT土工効果分析
対象工事の約半数でICT土工の取り組みがあり、平均で26%程の時短効果があったとされたが、前年との比較で元請による測量実施やUAV等の機材保有の率は5~7%程度減少し、データ処理等の内製化はほぼ横這いであることが報告された。
2.ICT活用工事普及拡大の取り組み
宅地造成工事での活用法として、GNSS測位が出来るICT建機を丁張り代わりの目印設置に利用して、残りの施工は従来建機で施工することで、ICT建機の稼働率を上げる事例が報告された。
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3.平成30年度より開始する事項
今までの積算基準ではICT建機の比率を全数の25%(4台に1台)と固定してきた。
しかし小規模工事では1台のICT建機で全てこなす例が多々あることから、平成30年2月1日以降に契約される施工数量が50,000m3未満の工事では実際のICT建機稼働率により精算することとされた。
営繕工事の簡素化の例として電子小黒板を活用すると説明があった。
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これに対し参加した委員からは、
・電子小黒板は事前の準備に時間をとられすぎている。今のマニュアルどおりに活用すると全然簡素化になっていない。見栄えを重視し、工種程度の入力なら良いが、実測値等の入力まで行うと手間がかかりすぎる。
・今までの測点上の抽出による出来形管理では基準としてマイナスも許されたと思うが、今後の平面的な全数管理では平均の基準値がマイナスまで許されると、全体が明らかにマイナスになってしまうので改善すべき。
といった意見が出された。
4.今後の取り組みについて
・IoT技術、特に映像を用いた監督検査を積極的に活用する。
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・地盤改良等において施工機械の履歴データを活用した出来形管理等を実現する。
・人力施工において、アタッチメントや治具、2次製品を活用することにより作業環境の改善を図る。
といった取り組み事例が多数報告された。
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委員からは、
・施工履歴データを活用するのであれば、月毎の出来高払いを検討して欲しい。
・映像による段階確認の早期実現を希望する。
・ダンプカーの不足がボトルネックになっているので調査をお願いしたい。
といった意見が出された。
事務局からは、
・国交省内でもベテラン検査員の技量を若手の参考とするために映像化を検討している
・行政内のセキュリティが強すぎて映像が遅くなってしまい、5G等が実現しても活用しきれない。
などの課題も報告された。
道路、河川、海岸、砂防土工に限定されていたICT施工だが、今後は他の工種への適用を拡大し、併せて工事規模の下限を引き下げることが期待される。