2019/12/12 国交省/地域建設会社の生産性向上へ/CCUS活用、施工能力見える化システム構築

【建設工業新聞 12月 12日 1面記事掲載】

政府の新しい経済対策に基づき、国土交通省は建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した地域建設会社の生産性向上に取り組む。CCUSや建設技能者の能力水準を判定するシステムと連携した、専門工事会社の施工能力の「見える化システム」を構築。技能者のスキルアップも支援する。高いレベルの技能者を雇用し育て、生産性の高い専門工事会社が適正に評価され選ばれる環境を整備する。

5日に閣議決定した事業規模26兆円程度の「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」には、中小・小規模事業への支援策の一つに「CCUSを活用した地域建設企業の生産性向上」が盛り込まれた。これを受け、国交省は「専門工事企業の適正な評価が行われる環境整備」と「建設技能者のスキル向上のための特別講習」に取り組む。

国交省はCCUSの活用策として、技能者の「能力評価制度」と、専門工事業者の施工能力の「見える化制度」を構築し連動させる考え。専門工事会社の施工能力を見える化する制度の構築に向け、業界統一の企業評価に関するガイドラインを2020年春までに策定する予定。専門工事業団体はガイドラインに基づき業種ごとの評価基準を策定し、見える化制度の運用に入る。

技能者のレベルを4段階に分ける能力評価基準の策定・認定も進んでおり、登録機関技能者制度のある35職種で20年度からレベルに応じた4種類のカードが技能者に行き渡る環境を整える。レベル分けされたカードを技能者に早く交付できるよう、国交省はCCUSと連携して技能水準を簡易に評価する「能力レベル判定システム」を開発中。20年度をめどに稼働させる計画だ。

高いレベルの技能者を雇用する企業を評価し、生産性向上の取り組みを推進するため、CCUSや能力レベル判定システムと連携しながら、専門工事会社の施工能力などの見える化システムを開発していく。

第一線で現場を支える技能者のスキル向上を目的とした特別講習を行う。レベルアップだけでなく、CCUSの登録や能力評価制度の普及も推進。優秀な人材の育成・確保につなげ、地域建設会社の生産性の向上を図る。

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