2020/05/19 新型コロナウイルス/国交省、建設業向け対策指針策定/具体策を8項目に整理

【建設工業新聞  5月 19日 1面記事掲載】

国土交通省は建設現場の実態に即した新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインを策定した。政府の基本的対処方針や専門家会議の提言などを踏まえ、建設現場やオフィスでの「感染防止のための基本的な考え方」と「講じるべき具体的な対策」を整理。現場ごとに創意工夫を図り、感染予防に取り組む。緊急事態宣言の終了後も感染リスクを低減し、安全・安心が十分に確立できるまで活用してもらう。=2面に関連記事

国交省はこれまで建設現場での3密(密閉・密集・密接)回避といった感染拡大防止対策の徹底を周知。建設会社で実践している3密の取り組み事例集なども策定してきた。政府は14日に基本的対処方針を改正。これを受け国交省は取り組み事例を拡充させたほか、オフィスや通勤時などの対策を盛り込んだ「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン(令和2年5月14日版)」を取りまとめた。

感染防止のための基本的な考え方として、事業者は建設現場の立地や工事内容などを十分に踏まえ、現場やオフィスなどに移動する自動車内や移動経路、立ち寄り先、通勤経路を含む周辺地域で従業員などの感染防止に努める。3密が生じ、クラスター感染発生リスクの高い状況を回避するため最大限の対策を講じるとした。

講じるべき具体的な対策は▽感染予防対策の体制▽健康確保▽建設現場▽オフィスなどにおける勤務▽通勤▽従業員・作業員に対する協力のお願い▽感染者が確認された場合の対応▽その他-の8項目に整理した。建設現場での対策は手洗いや体温測定、マスク着用などの予防策に加え、3密回避の徹底が柱。現場での朝礼・点呼、現場事務所での打ち合わせ、更衣室での着替え、詰め所での食事・休憩など、さまざまな場面での3密回避策を列挙した。

オフィス勤務では、従業員ができる限り2メートルを目安に一定の距離を保てるよう人員配置を見直す。定期的な手洗いを徹底しマスクの着用を促すとした。テレワークや時差出勤などさまざまな勤務形態の検討を通じ、通勤頻度を減らし公共交通機関の混雑緩和を図る。

従業員・作業員に対し、感染防止対策の重要性を理解させ、日常生活を含む行動変容を促す。感染を確認した場合、受注者から発注者に報告するなど所要の連絡体制の構築を図るとともに、都道府県の保健所などの指導に従い、感染者本人や濃厚接触者の自宅待機など適切な措置を講じるとした。

国交省は関係省庁や専門家の知恵を得てガイドラインを作成した。今後も感染症の動向や専門家の知見、基本的対処方針の改定などを踏まえ適宜、必要な見直しを行う。

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