2020/12/07 政府/新たな経済対策案/3次補正予算、公共事業2・5兆円規模に

【建設工業新聞  12月 7日 1面記事掲載】

防災・減災、国土強靱化の推進を柱の一つとする政府の新たな経済対策(案)がまとまった。官民連携による流域治水の推進や交通網の維持、インフラの老朽化対策の加速などを列挙。これらを効率的で円滑に進めるためデジタル化も推進する。公共事業に伴う地方自治体の追加負担を軽減するため補正予算債の活用も盛り込む。財源の裏付けとなる2020年度第3次補正予算案で、公共事業に総額2・5兆円程度を確保する。

菅義偉首相は11月10日の閣議で、新たな経済対策の策定と20年度第3次補正予算案の編成を指示した。ポストコロナに向け経済の持ち直しの動きを確かなものとし、民需主導の成長軌道に戻すための対策をパッケージ化。実施に向け20年度第3次補正予算と21年度予算を合わせた「15カ月予算」として、切れ目なく新型コロナウイルス対応や経済対策に当たる。

新たな経済対策は8日に閣議決定する予定。取り組む施策として▽新型コロナ感染症の拡大防止策▽ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現▽防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保▽新型コロナ感染症対策予備費の適時適切な執行-の4項目を設定する。

防災・減災、国土強靱化の推進では、流域治水の推進など災害に対し人命・財産の被害を防止・最小化するための対策や、交通ネットワーク・ライフラインを維持し経済・国民生活を支えるための対策を講じる。予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向け、インフラの老朽化対策を加速。同時に、建設現場の生産性向上策i-Constructionなどデジタル化の推進や、防災のDX(デジタルトランスフォーメーション)に強力に取り組む。

20年7月豪雨など自然災害による被災者の生活やなりわいの再建、復旧・復興に向け、引き続き全力で取り組む。被災したインフラや学校などの公共施設の本格的な復旧を急ぐ。

防災・減災、国土強靱化対策について、政府は21年度からの新5カ年計画を事業規模15兆円程度で取りまとめる。財政措置に加え、財政投融資、民間投資も含めた規模として想定される。初年度の対策費は編成中の20年度第3次補正予算で措置する。

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