2021/06/09 国交省/不良・不適格業者排除へ/都道府県と連携強化、問題発覚後の営業状況継続把握

【建設工業新聞  6月 8日 1面記事掲載】

国土交通省は建設業の法令順守体制の充実に向けた2021年度の取り組み方針を決めた。建設会社の施工不良に端を発する問題が相次いでいることから、不良・不適格業者への厳格対応で都道府県と連携を強化。問題発覚後の継続的な営業状況の把握などで新たに協力する。立ち入り検査の重点事項には▽技能労働者への適切な水準の賃金支払い▽著しく短い工期の禁止-の2項目を追加し、情報収集や調査を強化する。

各地方整備局などに設置している「建設業法令順守推進本部」の活動方針として取り組み内容を7日に公表した。施工不良問題を巡っては、当事者の施工会社が所有者への説明や補修をせず、自己破産を申請した責任逃れとも取れる対応が波紋を広げている。

国交省と都道府県の許可行政庁間で連携を強化。法令違反疑義情報の速やかな共有や合同の立ち入り検査、不良・不適格業者の営業状況の継続把握などで協力する。

知事許可業者の場合、廃業してしまえば不良・不適格業者でも別の都道府県で許可取得が事実上可能。許可行政庁の連携で隣県同士が情報共有できる仕組みを構築すれば、不良・不適格業者の監視を強めることができる。

立ち入り検査の重点事項の追加2項目は、昨年10月施行の改正建設業法を踏まえた対応となる。下請代金の支払いは、標準見積書の活用状況や見積もりに基づく協議状況の確認を通じチェック。その後も継続して改善状況の情報収集や調査を行う。工期設定が適正かどうかは、著しく短いと疑義がある場合に過去の同種類似工事の実績との比較や建設業者が行った工期見積もり内容の精査、時間外労働時間状況を把握し、工事ごとに個別判断する。

20年度の法令順守推進本部の活動は、法令違反疑義情報の受付件数が1353件(19年度1868件)、立ち入り検査が416件(598件)、講習会の開催が30回(44回)だった。新型コロナウイルスの流行で立ち入り検査や講習会は例年より少なかった。

建設業法に基づく監督処分として「許可取消」を1件(1件)、「営業停止」を5件(8件)、「指示」を11件(5件)、「勧告」を82件(184件)行った。

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