2021/06/21 日建連会員/職域接種、50社以上が前向きに検討/首脳会見、協力会社含め実施を

【建設工業新聞  6月 21日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長ら首脳が18日に東京都内で会見し、新型コロナウイルスワクチンの職域接種に積極的に取り組む意義を強調した。宮本会長は会員企業を対象とした接種実施の意向調査で「50社以上から実施に前向きな回答を得ている」と明らかにした。建設業の裾野の広さを生かし、協力会社の社員や家族も含めた実施を会員企業に呼び掛けており、「職域接種を進める上で必要なことがあれば協力したい」と述べた。

政府が職域接種の申請受け付けを開始した8日以降、日建連会員でも大手を中心に実施を表明した企業がいくつか出ている。意向調査は1日に国土交通省から依頼があり、結果をまとめ9日に報告した。会員142社のうち76社が回答し、接種を「実施したい」は過半数の54社に達した。

宮本会長は、マスクを付けながらの現場作業は熱中症のリスクが高まるなど無理があると指摘。現場環境の改善に向けワクチンの早期普及が重要と訴えた。「われわれはエッセンシャルワーカーとしての自負を持っている」とも話し、「今後社会の中でも優先して接種していただけるとありがたい」と期待を示した。

押味至一副会長土木本部長は、感染症予防と熱中症予防を両立する難しさに言及。今夏までの接種完了は間に合わないものの「協力会社に積極的に参加してもらいワクチンを打ってもらうことが一番大事だ」と述べた。蓮輪賢治副会長建築本部長も「安全安心を確保するため個社、そして業界として一日も早い接種に協力していきたい」と話した。

会員企業への意向調査では、医療従事者や接種会場を自前で確保できると答えた企業は32社にとどまった。実施を希望しても断念せざるを得ないケースが多いことも分かった。

職域接種は医療従事者や会場を自ら確保するのが実施条件。同一会場で最低2000回(1000人が2回)程度の実施が基本となる。「実施しない」と回答した企業からは「医療従事者を確保できない」「1000人以上の確保が困難」「副反応発症時の対応を懸念している」との声が寄せられているという。

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