2023/03/02 国交省/直轄土木の23年度積算基準、朝礼など標準歩掛かり反映

【建設工業新聞  3月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は直轄土木工事・業務で2023年度に適用する積算基準などの改定内容を公表した。時間外労働の罰則付き上限規制の適用を見据え、朝礼や準備体操、後片付けなどの実態を把握し標準的な時間を分析することで標準歩掛かりに反映した。大規模災害の被災地で適用している「復興係数」「復興歩掛かり」は直近の施工実態を踏まえ補正率を一部変更した上で継続する。

時間外労働規制を見据えた工事積算の適正化には23年度以降も注力し、実態調査の結果を踏まえ標準歩掛かりに順次反映していく予定。路上工事などで常設の作業帯が現場に設けられない工事では、資材基地からの移動時間を考慮した積算にするための方法を多角的に検討する方針だ。

東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)で導入している復興係数の補正率は共通仮設費を1・3倍、現場管理費を1・1倍に変更する。ただし福島県は復興途上の地域事情を踏まえ適用を猶予し、現行の補正率を据え置く。熊本、広島両県では復興歩掛かりを10%低減に変更するが、熊本県は例外的に適用を猶予し20%低減のままとする。20年の豪雨災害からの復旧・復興や不調不落の状況を勘案しての措置となる。

総価契約単価合意方式では後工事の契約時点で最新の積算基準を反映するため「調整率」を新たに導入する。前工事契約後に間接費の率式が改定された場合、後工事に反映されないという課題を解消する。

ICT施工の積算基準は▽3D出来形管理▽3Dデータ納品▽外注経費等-の各項目で、従来の補正係数で算出した金額と見積もりを比較し費用計上する運用とする。3D出来形管理の内製化が進展する状況などを踏まえ、より実態に即した積算とする狙いがある。

土木工事標準歩掛かりは新たに▽浚渫工(バックホウ浚渫船・ICT)▽砂防土砂仮締切・砂防大型土のう仮締切▽橋梁検査路架設工-の3工種を制定し、既存7工種を改定。施工パッケージ型積算方式の標準単価は▽現場発生品及び支給品費▽モルタル練工▽排水構造物工(ヒューム管)-の3工種を新設し、既存2工種を改定する。

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