2024/02/05 国交省/一人親方本人へ初の実態調査、規制逃れ疑いを一定数確認

【建設工業新聞 2月 5日 2面記事掲載】

国土交通省は一人親方の働き方の実態を把握するため、一人親方本人を聴取対象に初めて実施した調査の結果を明らかにした。多くは自らの意志で一人親方としての働き方を選んでいると思われるが、雇用労働者として働くことを望んでいる一人親方も6・6%おり、そのうち18・7%は「取引先から一人親方として働くよう言われている」と理由を回答。規制逃れを目的とした「偽装一人親方」が疑われるケースが一定数確認されたことになる。

調査は2023年11月~24年1月に実施。集計した回答のうち従業員を雇用していたり法人格を持っていたりする一人親方を除く1612件を分析対象とした。

一人親方と雇用労働者を線引きする「働き方自己診断チェックリスト」の8項目に自らの現状を当てはめて回答してもらったところ、例えば「仕事の依頼を断る自由がない」は16・6%、「他社の業務に従事できない」は24・6%の回答率となり、仕事の裁量が低く雇用労働者に近い働き方をしている現状を把握した。ほかの項目で雇用労働者に近い回答だったのは▽指揮監督=50・9%▽拘束性=45・2%▽代替性=30・2%▽報酬の労務対償性=54・5%▽資機材などの負担=53・2%▽報酬の額=37・7%-だった。

雇用労働者として働くことを望んでいる一人親方のうち9・3%が、一人親方として働く理由を「時間外労働規制の適用を受けないため」と回答していることも分かった。自らの意志での判断とも考えられるが、取引企業の規制逃れが疑われる可能性もある。規制適用が偽装一人親方の増加を助長しないよう、厚生労働省も交え対応策の検討が求められそうだ。

現行の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」で雇用関係に誘導していく方針が示された10代の一人親方は0・4%、経験年数3年未満の一人親方は2・0%に過ぎなかった。年齢や経験年数だけで一人親方としての「適正さ」を判断するのは難しく、技能レベルも加味した判断基準の検討が必要だ。

一人親方には労災保険の特別加入や資機材などの必要経費がかかるが、自身の報酬が同種の業務に従事する雇用労働者より高額だったとの回答は35・0%にとどまった。取引先企業の66%は一人親方に見積書の提出を求めていないことも判明。必要経費が請負代金に反映されていない可能性も浮き彫りとなった。

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