2024/02/19 国交省/在籍出向技術者配置で新ルール、連結子会社間でも容認

【建設工業新聞 2月 16日 2面記事掲載】

国土交通省は建設現場の監理技術者や主任技術者として企業グループ内の「在籍出向技術者」の配置を認める新たな運用ルールの方向性をまとめた。親会社と連結子会社の間で在籍出向の配置を認める現行の特例をそのまま運用しつつ、連結子会社間で在籍出向後3カ月以上あれば技術者配置を可能とするルールを創設する。このルールでは出向元と出向先の経営事項審査(経審)の有無を問わないこととする。持分法適用会社と親・子会社の間の在籍出向は従来通り認めない。=1面参照

15日の「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」(座長・小澤一雅東京大学大学院工学系研究科特任教授)で説明し、有識者らに意見を求めた。

現行の特例では親会社と子会社のどちらも経審を取得している場合、入札機会拡大のためのペーパーカンパニーの設立などの懸念が生じるため、在籍出向技術者の配置を認めていない。新たなルールでは経審の要件を不要とする代わりに、公共工事での技術者配置は在籍出向後3カ月以上という条件を付加し、ペーパーカンパニーの設立による入札参加の歯止めとする。

連結子会社間の在籍出向は、技術者が出向先の企業の技術習得に一定期間を要することから、出向後3カ月以上で認めることとする。監理技術者などには所属企業と「直接的かつ恒常的」な雇用関係が必要とされ、公共工事の配置技術者は新規採用後3カ月以上という要件があることを踏襲した。同様の考え方で持分法適用会社との在籍出向は、第三者が介入する余地が生まれ責任の所在が不明確になるため認めないこととした。

新たなルールは、現行の特例とは別々に運用する見通しだ。現行の特例を活用するには「企業集団確認」の申請を行い、確認書の交付を受ける必要がある。企業集団として認定されているのは昨年9月末時点で104グループ。新たなルールの運用方法は今後詰める方向だが、経審の要件が不要となるため活用のハードルが大幅に低くなることも想定される。

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