2010/1/26 10年度建設投資見通し、40兆円割れに/住宅市況の回復見込めず/建設経済研

【建設工業新聞 1月26日 記事掲載】

 建設経済研究所は25日、建設経済モデルによる建設投資見通し(10年1月時点)を発表した。10年度の名目建設投資は、09年度実績見込みを10・4%下回る37兆6900億円と40兆円を割り込み、1977年度(約38・8兆円)の水準以下にまで落ち込むと予測している。住宅市場の低迷や、鳩山政権による公共事業の大幅削減などを反映させた結果、昨年10月時点の見通しよりも3兆3700億円の下方修正となった。

 10年度の新設住宅着工戸数は82・4万戸(09年度見込み比7・3%増)と推計しているが、これは09年度が76・9万戸(前年度比26・0%減)と大幅に落ち込むとみているための反動増で、同研究所は「大幅な回復は見込めない」と悲観的な見方を示している。10年度の名目建設投資予測額の内訳は、政府建設投資が14兆8800億円(09年度見込み比20・9%減)、民間住宅投資が12兆6900億円(0・2%増)、民間非住宅建設投資が10兆1200億円(4・6%減)。

 10年度の住宅着工の内訳は、持ち家が30・5万戸(5・4%増)、貸家が33・3万戸(6・9%増)、分譲が17・5万戸(13・3%増)と予測している。住宅取得促進税制や贈与税の非課税枠の特例拡大、住宅版エコポイント導入といった政府の対策については、「所得や雇用といった根本が回復しないと大きな効果は見込めない」(同研究所)と分析している。

 10年度の民間非住宅建設投資のうち、建築投資は6兆3200億円(6・9%減)、土木投資は3兆8000億円(0・5%減)と予測。民間企業では設備投資意欲の冷え込みが続いており、建設投資の回復につながるのは11年度になると推測している。10年度の政府建設投資については、建築投資が1兆9300億円(28・8%減)、土木投資が12兆9500億円(19・5%減)とどちらも大幅減を見込む。同研究所は「今までにない影響が出ると心配している」と話している。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る