2010/2/12 ゼネコン大手4社/09年4~12月期決算/受注減に歯止めかからず

【建設工業新聞 2月12日 記事掲載】

 上場ゼネコン大手4社の09年4~12月期の決算が10日発表された。単体の受注高は前年同期比3~4割減。国内建設市場は需要回復の足取りが鈍く、下期に入っても受注量の確保に各社とも苦戦している状況だ。通期の受注高予想は、鹿島と大林組が下方修正した。予想を据え置いた社も「未達の懸念がないとはいえない」(清水建設)としており、今後の動向次第では受注高1兆円割れの社が出てくる可能性もある。


 4~12月期は、4社とも減収ながら、選別受注が徹底されたことや、資材価格高騰の影響が薄らいだことで工事採算は改善傾向。ただ、過去に受注した海外の大型工事で採算悪化の懸念が強まっており、発注者との交渉結果によっては今期の業績に大きな影響が出かねない。


 受注高は、国内の民間工事が引き続き前年同期を大きく下回った。土木は官公庁工事の受注減に加え、各社がここ数年注力してきた海外事業を抑制したことも響き、清水建設を除く3社が前年同期比4~5割減となった。通期の受注高は、前回予想値を鹿島が国内建築で100億円、大林組が国内建築で300億円、海外土木で200億円それぞれ下方修正した。


 業績予想については4社とも従来通りとしたものの、海外工事のリスクに加え、受注競争の激化で低採算工事が増す懸念もあり、目標達成に向けて各社の取り組みは正念場を迎えている。=〈参照〉= 

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