2010/4/19 国交省、経産省/新築住宅に省エネ基準、20年までに適合義務付け

【建設工業新聞 4月19日 記事掲載】

 国土交通省と経済産業省は、住宅とオフィスビルなどの建築物(非住宅)の省エネルギー対策を強化する。10年以上前に策定された現行の省エネ基準を改正して対策を一段と強化し、最終的には基準への適合を義務化。新築住宅については2020年までに新たな省エネ基準の適合率100%の達成を目指す。5月初旬までに地球温暖化対策の推進方策を検討する有識者会議と、新たな省エネ基準のあり方を検討する有識者会議をそれぞれ設置し、10年度中に省エネ対策の工程表と新たな省エネ基準をまとめる。


 現行の省エネ基準では、住宅が断熱性能、非住宅が断熱性能と設備機器の効率化のレベルがそれぞれ規定され、基準の順守は努力義務となっている。現在の基準適合率は、住宅が全体の約1~2割、非住宅が約8割という。新たな省エネ基準では、住宅分野で断熱性能以外に給湯設備や太陽光パネルの基準を追加する。新築住宅に対しては、数年をかけて省エネ基準への適合義務化をスタートさせる。


 両省は新たな省エネ基準の義務化の前段として、住宅版エコポイント制度の拡充などを実施。適合率を50%以上に引き上げた上で、まずは大規模建物から義務化に移す考えだ。エコポイントの拡充については、給湯設備へのポイント付与や、新築住宅に対するポイント(現在は30万ポイント)の上積みなどを検討する。


 両省は5月初旬までに有識者でつくる「省エネ基準の適合義務化に関する検討会」を設置し、義務化の対象や時期、支援策の検討に入る。検討会は外壁や窓などの断熱性に加え、暖冷房や給湯設備の効率性、太陽光発電に対する総合的な評価方法や、断熱構造化が難しい木造住宅の省エネ基準とその普及策などを検討し、年内に公表する。さらに地球温暖化対策につながる各種の取り組みを検討するための有識者会議「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」も併せて設置。具体的な対策とその普及スケジュールを示す工程表を10年度内に策定し、11年から実行に移す考えだ。

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