2010/05/11 建専連/生産性向上へ6月にも新たな提言/新分野に展開、基幹技能者の活用促進


【建設工業新聞 5月11日 記事掲載】

  建設産業専門団体連合会(建専連)の才賀清二郎会長は10日、東京都内で記者会見し、本年度に、生産性向上や基幹技能者の地位向上など4項目の活動に重点的に取り組む方針を表明した。生産性向上については、昨年2月に発表した「建設労働生産性の向上に資する提言―躯体編」を拡充した新たな提言を来月に取りまとめる。仕上げや設備、土木などの分野まで対象に加えるとともに、既存建設物の維持補修といった新たな分野への展開などを盛り込む。基幹技能者の地位向上では、パンフレットを作製・配布することにより、さらに制度の周知を図るとともに、6月から実施する発注者との意見交換会でも基幹技能者の活用促進を要請していく。
  建専連は同日、日本建設業団体連合会(日建連、野村哲也会長)との定期協議(第2回)を開き、人材確保や生産性向上などについて意見交換した。協議は、優良技能者の標準年収を600万円以上とする目標を掲げた日建連の「建設技能者の人材確保・育成に関する提言」なども踏まえて行われ、会見で才賀会長は、年収600万円以上の実現について、「基幹技能者がきちんと仕事をして、手戻りを無くすといったことを考えていかないといけない。最初から600万円ありきではない」と述べ、専門工事業者側の努力も重要との認識を示した。
  日建連の会員である元請企業の間で手当の創設などの取り組みに差があることに対しては、「(手当の違いなどにより)職人が偏ってしまう」と懸念を示した。生産性向上に向けた新たな提言では、地方などでの既存建設物の維持・補修といった新分野への展開のほか、施工図作成など現在は無償でやっている業務について、適正な対価を得て遂行することも掲げる。元請企業や、地域社会などへのPRも強化する。

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