2010/06/25 中建審/完工高評点を上方修正、再生企業には減点措置/経審見直しの方向性整理

【建設工業新聞 6月25日 記事掲載】

 24日の中建審の総会では経営事項審査(経審)に関する議論も行われ、前回会合での各委員の指摘や業界団体の意見を踏まえ、制度改正に向けた方向性が示された。制度改正の内容を▽当面の見直し項目▽継続的検討課題▽中期的な検討課題-の三つに整理。今夏にまとめる審査基準の改正案には、建設投資の減少を踏まえた完成工事高(完工高、X1点)の評点テーブルの上方修正や、債権放棄を受けた再生企業に対する社会性等(W点)でのマイナス評価が盛り込まれることになった。
 
 
 具体的には、完工高評点テーブルの修正により、X1点を平均で17点程度引き上げ、ランクの低下を避けるために建設会社が無理な受注をしなくて済むようにする。再生企業については、法的整理を行った企業を対象に、W点の営業年数を0年にリセットして評価する仕組みを導入。営業年数35年以上の企業であれば60点が減点されることになり、減点が60点に満たない新興企業は再生計画中は追加で減点措置を講じることで、不公平にならない仕組みとする。評価対象とする技術者には3カ月以上の継続雇用を求め、審査基準日だけの技術者の名義借りなどの不正を排除する。
 
 
 継続課題としては、元請が下請を選定する場合の「下請経審制度」の創設や、海外子会社の受注実績の完工高への組み入れが挙げられた。

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