2010/07/27 中建審が総会/経審改正を了承/再生企業、W点から一律60点減点

【建設工業新聞 7月 27日 記事掲載】

 中央建設業審議会(中建審、国土交通相の諮問機関)は26日、東京都内で総会を開き、国交省の提示した経営事項審査(経審)の改正事項を了承した。法的整理による再生企業に対し、再生期間中は社会性等評点(W点)から一律60点を減点するなどの審査基準の改正と、ペーパーカンパニーの虚偽申請を防ぐ経審データ異常値検出システムの見直しなどが柱。国交省は8月中に虚偽申請防止策をまとめ、順次システム改正を行う一方、審査基準の改正内容は今秋をめどに省令、告示、通知を見直し、来年度からの施行を目指す。
 
 
 審査基準の改正事項は、▽建設投資の減少を踏まえた完成工事高(完工高、X1点)と元請完工高(Z2点)の評点テーブルの上方修正▽評価対象とする技術者に必要な雇用期間の明確化▽W点での再生企業の評価見直し▽W点の評価項目の追加-の4点が柱。X1点とZ2点の評定テーブルの上方修正については、10年度の建設投資額の推計に基づき算出したX1点とZ2点の予想平均点を08年改正時に設定された平均点700点に近づける形でそれぞれ修正し、各社がランク低下を避けるために無理な受注をするのを防ぐ。評価する技術者の見直しでは、ペーパーカンパニーによる評点を上げるためだけの技術者の名義借りを防ぐため、審査基準日前に6カ月以上の恒常的雇用関係がある者に限定する。
 
 
 再生企業の取り扱いでは、法的整理を行った企業の再生期間中はW点から企業の信頼性評価の最大値60点を一律に減じて評価。再生手続きの終了後もW点の営業年数を0年にリセットして評価する仕組みを導入する。W点の評価項目の追加については、建設機械の保有と品質と環境の国際規格(ISO9000、14000シリーズ)の認証取得を加点の対象とする。建設機械の保有に関しては所有に加え、リースも評点対象に加える予定で、一定期間の保有継続の証明方法や台数の上限などを今後検討する。
 
 
 経審の虚偽申請防止対策は、疑義項目チェックの再構築や完工高と技術職員数値の相関分析の見直しなどが柱。経営状況分析機関が使っている疑義チェックの指標については一部を入れ替え、虚偽申請の抽出に特に有効と考えられるものを選定・活用することで重点審査が可能な件数まで二段階の絞り込みを実施する予定。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る