2010/08/20 11年度予算概算要求の編成大詰め/特別枠の獲得焦点、成長5分野中心に反映

【建設工業新聞 8月 20日 記事掲載】

 11年度予算の概算要求に向けた作業が各省庁で本格化し、国土交通省関係の要求方針が固まってきた。18日に開かれた民主党の国土交通部門会議は、同省が掲げる成長戦略5分野の主要施策などを中心に予算要求を編成することを大筋で了承。23日の次回会合で、同会議としての予算編成に対する考え方を提言としてまとめる予定だ。同省では提言内容を踏まえて8月末の要求締め切りまでに要求内容の詳細を詰める。
 
 
 国交省の11年度予算要求枠は、高速道路無料化など民主党のマニフェスト(政権公約)に掲げられた目玉施策については10年度予算から据え置きとし、これらを除いた10年度予算(義務的経費、人件費、公共事業関係費、その他裁量的経費)から1割削減した額を合算した5兆0737億円がベースとなる。1割削減分の5504億円は「元気な日本復活特別枠」の要望基礎額となり、1割以上削減した場合は、1割を超した分の3倍まで特別枠の要求額に加えることができる。
 
 
 民主党の部門会議では、国交省側が提示した概算要求の主要事項についておおむね了承した。今後、参加議員らの意見を集約し、概算要求の考え方として提言をまとめる。提言は、国交省の予算編成に関するものとは別に、特別枠の選定で国交省関係の要望を積極的に取り入れるよう菅直人首相に対しても行う方針だ。部門会議は、国交省関連の事業について、国民生活の安全・安心や、低迷する日本経済の成長に不可欠なものが多い上、個々の施策が他省庁とも連動しており、特別枠での重要度は特に高いとしている。
 
 
 特別枠の各省庁の配分額については、公開による政策コンテストで個々の要望内容を評価し、最終的には首相の判断で決まる。大枠の削減分を特別枠でどれだけ取り戻せるかが各省庁の予算編成で大きな焦点となりそうだ。国交省は「特別枠に入れ込む事業や枠の使い方に関する具体的な方針は現時点で未確定」としているが、同省だけの価値観でなく、日本全体として優先順位の高い事業を要望に組み込んでいくという。

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