2010/09/13 政府/追加経済対策を決定/住宅エコポイント延長、建替時の容積率緩和も

【建設工業新聞 9月 13日 記事掲載】

 事業規模9兆8000億円の追加経済対策が動きだす。政府が10日に閣議決定した対策では、財政支出額は10年度予算の予備費9150億円に限定するものの、規制緩和や税制上の特例措置などにより、実質GDP(国内総生産)の0・3%押し上げと、20万人の雇用創出につなげる考え。国土交通省関連施策として、新たなPPP・PFI事業の案件形成支援や、ゲリラ豪雨対策・地域防災対応、住宅版エコポイント制度の延長、優良住宅取得支援制度(フラット35S)の大幅金利引き下げ延長などに取り組む。
 
 
 今回の対策は11年度までを見据えた「3段構え」で進める計画。財政支出を伴う緊急対策を第1段階に位置付け、第2段階では国が推進する新成長戦略の施策で必要に応じて補正予算の編成を検討。第3段階として11年度予算を使った施策や雇用促進を促す企業減税を実行し、景気の自立的回復を下支えする。支出額は最も多い家電・住宅エコポイントやフラット35S関係に4500億円を計上。このほか、雇用対策に1750億円、防災対策に1650億円、企業の投資促進策に1200億円を充てる。国交省関係では4000億円台前半を見込んでいる。
 
 
 財源に頼らない景気対策として、規制緩和や制度改革も実施。「日本を元気にする規制改革100」では、国交省関係で都市再生や老朽建築物の建て替え時の容積率の緩和など18項目に取り組む。特に建築基準法に絡んだ規制改革が多く、▽基準法の見直しで建築確認・審査手続きの簡素化▽無人運転が基本のコンテナ型データセンターを基準法上の建築物対象から除外▽太陽光発電設備(4メートル超)での建築確認申請の不要化▽省エネ・新エネ設備設置での基準法上の取り扱い明確化-などを早期に進める。
 
 
 10日の閣議後の記者会見で、前原誠司国交相は「財政に頼らないという形の中で、今回の経済対策を第1弾ととらえ、状況を見ながら臨機応変に対応する」と述べた。

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