2010/10/07 民主党/4・8兆円の緊急経済対策案/社会資本整備に5千億円以上見込む

【建設工業新聞 10月 7日 記事掲載】

 民主党の「成長戦略・経済対策プロジェクトチーム」(直嶋正行座長)は6日、円高・デフレ対応緊急経済対策案をまとめ、政府に提言した。一連の施策を補正予算案に盛り込むよう求めており、予算規模は4兆8000億円以上となる。このうち地域活性化・社会資本整備・中小企業対策といった地域・雇用直結型の分野に約3兆円を計上し、羽田空港の整備や高速道路の未整備区間(ミッシングリンク)の解消など、戦略的な社会資本整備への投資規模を「5000億円以上」(直嶋座長)と見込んでいる。
 
 
 今回まとめた対策案は、先に閣議決定した「3段構えの経済対策」の第2段階に位置付けられ、9200億円規模の緊急経済対策に続くものとなる。与野党の提言を踏まえて、▽雇用・人材育成▽新成長戦略の推進▽子育て・医療・介護・福祉▽地域活性化・社会資本整備・中小企業対策▽制度・規制改革-の5分野を大きな柱に掲げ、具体的な対策61項目のうち予算措置関係は45項目となる。
 
 
 財源については国債増発を避け、09年度決算余剰金の一部や10年度税収の増加分(2兆2000億円)、金利低下による国債利払いの不要分(1兆4000億円)などで賄う方針。地方交付税交付金の繰り入れを含め、全体で4兆8000億円以上を確保する。国庫債務負担行為による2000億円規模の上積みについて、直嶋座長は「(調整を進める過程で)最終的に(上積みが)少し出てくる可能性はある」との見解を示した。
 
 
 地域・雇用直結型の対策としては、羽田空港などの基幹空港、重要港湾、高速道路など、国家戦略の上で特に重要な社会基盤の整備を推進。学校の耐震化促進、ゲリラ豪雨対策などにも取り組む。地域活性化に向けた新しい交付金制度を創設する計画で、3000億円規模を想定している。成長先取り型(新成長戦略の推進、円高メリットの活用)の分野には約4000億円を投じる計画。生活・環境関連の研究拠点整備への補助やシステム・インフラ輸出に対する金融支援のほか、住宅版エコポイント制度の対象機器拡充、住宅用太陽光パネルの設置補助などの施策を盛り込んだ。政府は8日にも閣議決定する見通し。その後、補正予算案の編成に本格着手し、今月下旬の国会提出を目指す。

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