2010/10/26 全建・淺沼健一会長/地方建設業の振興へ新たな政策を/「この1年がチャンス」

【建設工業新聞 10月 26日 記事掲載】

 全国建設業協会(全建)の淺沼健一会長は22日、山形市で記者会見し、国土交通省など公共発注機関と各地で開催している本年度ブロック会議の議論について、「かなり『そもそも論』が出てきている」との認識を示した上で、「政権交代から1年たち、現政権もある程度、(建設業界の)実情を理解してきた。新しい政策を打ち出していける可能性がある」と地方建設業の振興に向けた新たな政策に強い期待感を示した。淺沼会長は、社会資本整備のグランドデザインを策定して国民的な合意を得ることを国交省に求めており、「発足して間もない政権だからこそ可能になる。本当にこの1年がチャンスになる」とも強調した。
 
 
 淺沼会長は、東北地区でのブロック会議後に、東北建設業協会連合会の菅原三朗会長(秋田県建設業協会会長)と記者会見した。菅原会長は、東北地方の業界の現状について、「工事量が減り、努力しても成果が出ない。秋田や青森では、(建設業だけでなく)地域経済全体が疲弊している。異業種進出や転業といっても簡単にはいかない」と指摘。業界の需給ギャップを解消するべきだとの意見には「建設業が痛め付けられている秋田県ですら、県民総生産の7%、雇用の1割を占めており、建設業は基幹産業だ。合併などで退場しろというのか。行政は地場産業として考えていくべきだ。業界自ら(供給過剰構造を)どうにかはできない」と反論した。
 
 
 淺沼会長は「市場に任せる形でいけば、技術と経営に優れた企業は絶対に残っていけない」と指摘し、「残すべき企業をうまく選別しながら残すのは、地方の産業政策だ。国にもお願いしたい。マーケットに任せては絶対に駄目だ」と強調した。

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