2010/12/07 馬淵澄夫国交相、全建と懇談/地域ゼネコン再生を重視、災害対応空白地帯出現も

【建設工業新聞 12月 07日 記事掲載】

 馬淵澄夫国交相は6日、東京・霞が関の国土交通省で、全国建設業協会(全建)の淺沼健一会長ら幹部と懇談し、地域建設業のあり方などについて意見交換した。席上、淺沼会長は、社会資本整備に関する具体的なビジョンの提示や、国民の目線に立った建設産業政策の実施を要請。全建によると、馬淵国交相は「(社会資本整備の)ビジョンを示すことは国交省の責任であり、取り組みたい」と応じたのに加え、「地域ゼネコンの再生は非常に重要な課題だ。どうあるべきか、どんな役割を果たすべきか、知恵を絞る必要がある」と述べ、地域建設業の再生を重視して政策展開する方針を示した。
 
 
 懇談会には、国交省側から馬淵国交相のほか、池口修治副大臣、大森雅夫官房建設流通政策審議官、下保修官房技術審議官らが出席。全建側からは、淺沼会長をはじめ、山田恒太郎、本間達郎、伊藤孝、永野征四郎の4副会長、松本良三奈良県建設業協会会長らが参加した。
 
 
 懇談会では、淺沼会長が冒頭、建設業界の現状や要望事項を説明し、「建設業界は、全国でも地域でも危機にひんしており、地域の雇用、経済面に壊滅的な打撃を及ぼしている」と指摘したほか、「(災害時に十分な復旧活動が難しい)『災害対応空白地帯』が出現している」と述べた。災害対応空白地域については、馬淵国交相、池口国交副大臣ともに関心を寄せる発言があったという。加えて、各副会長らは、冬季の除雪態勢や、宮崎県で起きた口蹄(こうてい)疫問題への対応、建設産業ビジョンの必要性、人材確保・雇用問題などに言及した。
 
 
 全建側のこうした発言を受け、馬淵国交相は自身が建設業界出身であることを踏まえ「現場を非常に理解しているつもりだ」と述べ、建設業が地域経済に果たしている役割は大きいとの認識を示した。その上で、地域ゼネコンの再生の重要性を指摘し、「ある意味、タブー視されていた議論だが、検討しないといけない」と語った。公共事業予算については「できれば増やしてほしい。最低でも本年度並みを確保してほしい」と淺沼会長が要望したのに対し、「頑張りたい」と応じたという。

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