2012/03/26 国交省/法定福利費の工事価格組み入れ要請へ/公共・民間発注者に近く通知

【建設工業新聞 3月 26日 記事掲載】

 国土交通省と中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)は、各省庁や都道府県・政令市、独立行政法人、主要民間発注者、建設関係団体などに対し、建設業者の社会保険加入を徹底するための対策に協力するよう求める通知を今週中に出す。公共機関や民間事業者が工事を発注する際、建設業者の保険加入の前提となる法定福利費を工事価格に組み入れることを要請するのが目的。国交省が保険未加入問題でこうした要請を行うのは初めて。
 
 
 中建審は、今月14日にまとめた建設業者の社会保険加入の徹底を求める提言で、公共機関だけでなく民間事業者も発注工事の価格に法定福利費を計上し、それが下請企業まで適正に支払われるよう関係者が協力して取り組むべきだとしている。国交省はこの提言内容を踏まえ、保険未加入企業の排除に向けて今後実施する総合的な対策に協力するよう通知を出す。民間の要請先には、不動産や住宅業界の団体や日本経団連、日本商工会議所などが挙がっている。
 
 
 国交省の総合対策では、5年後をめどに建設業許可業者の加入率100%を目指し、行政や建設団体、民間発注者などで構成する保険未加入対策推進協議会を都道府県単位で設立。建設団体ごとに社会保険加入促進計画を策定する。さらに建設業許可・更新時の加入確認、未加入に対する経営事項審査での減点幅拡大などに取り組む。

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