2012/03/27 国交省/コンサルなど3業種の10年度経営分析結果/低採算体質浮き彫りに

【建設工業新聞 3月 27日 記事掲載】

 国土交通省は建設コンサルタントと測量、地質調査の建設関連3業種について、10年度決算を基に経営状況を分析した結果をまとめた。総売上高に対する経常利益率は建設コンサルを除いた2業種がマイナス。最終利益率では3業種すべてがマイナスとなり、3業種の低採算体質が浮き彫りになった。測量業の分析値が他の業種に比べて低くなる傾向も見られた。
 
 
 今回の経営分析は、建設関連業検討会(座長・小澤一雅東大大学院教授)が10年にまとめた提言を受け、関連業の経営戦略づくりを支援する一環で実施した。同様の経営分析は7年ぶり(前回は抽出調査)のため、前年度の数値との比較はなく、10年度の法人企業統計調査や建設業の経営分析結果などを参考に分析している。3業種の登録業者数に対する調査対象者数の割合は建設コンサル37・0%(1476社)、測量39・2%(4972社)、地質調査24・3%(313社)。
 
 
 総売上高経常利益率は建設コンサルが1・1%と若干のプラスになったものの、測量がマイナス4・0%、地質調査がマイナス0・3%。3業種とも大半の企業が0%以上5%未満で、不採算の傾向が強い。一方で粗利益率は測量が47・4%、建設コンサルと地質調査が36・1%。建設業全体の20・8%に比べると、全体的に高い数値を示した。職員1人当たりの総売上高は測量693・2万円、建設コンサル1175・4万円、地質調査1359・7万円で、3業種とも資本金規模が大きくなるほど上昇する傾向にある。
 
 
 海外事業の状況を見ると、測量・地質調査に比べて建設コンサルの進出意欲が高い。建設コンサルの収入に占める海外比率は5・2%となり、特に500万円以上1000万円未満と5000万円以上の二つの階層では割合が高くなっている。
 

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