2012/09/26 国交省/11年度の構造実態調査結果/経常損失抱える企業、6・1ポイント増加

【建設工業新聞 9月 26日 記事掲載】

 国土交通省は25日、3年ごとに実施している「建設業構造実態調査(11年度)」の結果を発表した。11年3月31日を調査基準日として今年2月、全国の1万2009社にアンケートを実施。有効回答企業を集計した結果、1社当たりの平均完成工事高は3億4380万円で、08年度の前回調査よりも23・5%減少した。経常損失を抱える企業は全体の25・8%(前回調査比6・1ポイント増)。原価割れ工事を抱えている企業の割合は66・8%(1・7ポイント減)と依然として高く、多くの企業が厳しい経営環境に置かれている状況がうかがえる。
 
 
 調査は3年に一度、「建設業構造基本調査」の名称で実施してきたが、11年度調査から「建設業構造実態調査」に名称を変更した。調査対象は、建設業許可業者から抽出した1万2009の法人と個人で、有効回答数は7294社(回答率は60・7%)。
 
 
 完工高のうち外注費が占める割合は44・1%(前回調査比0・6ポイント減)。1社当たりの平均従業者数は14・3人(8・9ポイント減)で、一般土木建築を除く5業種で減少し、特に建築は前回調査から30・8%減と最も減少していた。下請工事を受注している企業の割合は全体の79・2%(3・3ポイント減)で、半分以上が下請工事という企業の割合は49・6%(2・3ポイント減)。下請完工高がある企業で、特定の元請1社との取引が半分以上という企業の割合は31・7%(1・7ポイント増)だった。


 経営上の課題を聞いたところ、「利益率の低下」が86・2%で最多。「民間需要の減少」が75・3%で続き、「コストダウン要請の高まり」が65・7%、「官公需要の減少」が56・7%と高い割合を占めた。実施している事業戦略上の対策では、「高コスト体質からの脱却」が50・8%、「組織の活性化(従業員のモラル向上など)」が48・2%、「取引先の選別」が45・0%と高い。直近3カ年の事業転換として多かったのは「建設業の他の業種」で40・4%。続いて「リフォーム・維持修繕」が40・2%、「農業」が7・2%、「不動産業」が6・3%となっている。
 

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